最近30日間のアクセス数トップ3記事

2014年5月9日金曜日

syphilis

アメリカで梅毒患者が急上昇しているというニュースが目に留まりました。


Syphilis cases have doubled in the U.S. since 2005, the Centers for Disease Control and Prevention said Thursday.

Last year, 16,663 were infected with the sexually transmitted disease, the highest rate in the U.S. since it was nearly eliminated in 2000.

The increase is seen almost entirely in men, who account for 91% of cases in the U.S., the CDC said. The highly contagious disease's infection rate among women has remained fairly constant since 2005.
(Alexandra Sifferlin. Syphilis Rates Are Up in the U.S., Especially in Men. Time. May 8, 2014.)


梅毒のことを"syphilis"と言いますがその語源には大変興味深い背景があります。中辞典以上の辞書なら恐らく語源欄に解説があると思いますが、"syphilis"というのは実は人名なのでした。ただし実在した人ではなく、文学作品(詩)中の人物です。

語源解説によりますと、イタリア人の医師であり、また詩人であった、Hyeronymus Fracastorius (1478-1553)が書いた詩"Syphillis Sive Morbus Gallicus"に出てくる人物が"Syphilis"です。詩のタイトルはラテン語になっていますが、英訳すると"Syphilis, or the French Disease"となります。

この"Syphilis"は男の羊飼いでしたが、太陽を呪ったために太陽神アポロから罰せられてしまったそうです。罰というのは恐ろしい病気、つまり梅毒に罹らされた、ということです。

梅毒は最初に罹患した"Syphilis"から瞬く間に全土に拡がり、ためにその恐ろしい病気は"Syphilis"(梅毒)と呼ばれるようになった、というのがストーリーです。

梅毒についてはコロンブスとその一団がアメリカ大陸発見の際にHispaniola(ハイチ)から持ち帰ったという有名な話もありますが、異論もあるようです。


0 件のコメント:

コメントを投稿