アメリカは訴訟社会とよく言われます。かつて当ブログでもそれを象徴するような記事を取り上げたことがありますが、たとえば、何某コーヒーチェーンのホットコーヒーで火傷して賠償金を請求したとかいう話がありました。
下記に取り上げる記事も似たようなものがありますが、今回はリップクリームが最後まで使い切れないということで、いわゆる不当表示というのでしょうか、それを逆手に取ったような訴訟です。
Can't get that last bit of lip balm out of the tube? Scrape it out with your finger. That's basically what a federal appeals court told a California woman Thursday when it dismissed her class-action lawsuit alleging Fresh Inc. conned consumers into thinking there was more of its Sugar Lip Treatment in the tube than they could actually access, Courthouse News Service reports.
The U.S. Court of Appeals for the 9th Circuit rejected Angela Ebner's claim that the company tried to mislead consumers about the quantity of its lip balm, which sells for roughly $24 a tube, per the AP. Ebner had insisted that the way the company packaged and dispensed the lip treatment was in violation of her state's consumer protection laws, Reuters notes.
(Kiss of death for lawsuit against $24 lip balm. USA Today. March 19, 2016.)
ところが、起訴した女性の意に反して、裁判所は訴えを却下する判決を下しました。この手のリップクリームの製品構造として最後まで使い切れないのは自明の理であるという理由からだそうです。最後まで使い切りたいなら、指や爪楊枝でほじって取り出せ、ということです。
さて、この記事のタイトル、
Kiss of death for lawsuit against $24 lip balm
において、
kiss of death
という表現は初めて見るものでした。どうやら特別な意味がありそうだと思って辞書を引いてみると、
災いの種
というような意味が載っています。どうやら聖書(マタイ伝)に出てくる話で、ユダがキリストを裏切った、その裏切りのキスに由来するそうです。
なるほど、訴訟した女性のそもそもの意図は記事では触れられていませんが、敗訴となってしまったことは訴訟に踏み切ったこと自体が「災いの種」になってしまったという感があります。
また、リップクリームが話題だけに、"kiss of death"はそれにひっかけたしゃれでもあるでしょう。
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