オバマ前大統領がトランプ大統領に送ったとされるレターがニュースで話題になっています。
大統領就任時に、オバマ前大統領が直筆でしたためたもので、新しい大統領へのはなむけといったところでしょうか。
(CNN) — During his final moments in the Oval Office, President Barack Obama folded into thirds a handwritten letter to Donald Trump, slid it into an envelope, and in neat capital letters addressed it to "Mr. President."
Now, the contents of that letter -- the last direct communication between the 44th and 45th presidents -- have emerged for the first time after CNN obtained a copy.
(Kevin Liptak. Exclusive: Read the Inauguration Day letter Obama left for Trump. CNN. September 3, 2017.)
レターのコピーをCNNが独占入手(?)したもののようですが、内容は大統領就任を祝福する言葉に始まり、ホワイトハウスの主となることについての心構えといった、3つの要点を中心に置いた簡潔なものです。
決して上から目線のアドバイスや助言といった感じのものではなく、オバマ氏の温厚さが滲み出ているような文章です。
ところで、3つの要点を終えて最後に(And finally,...)というところで、下記のようなくだりとなっています。
And finally, take time, in the rush of events and responsibilities, for friends and family. They'll get you through the inevitable rough patches.
(ibid.)
取り上げたいのは、"rough patches"という表現です。
引用した部分の趣旨としては、激務の中でも家族や友人との時間を大切に、というところでしょうか。(家族や友人が)きっとトランプ氏の支えになるから、というものです。
最後の、
get through rough patches
は特に辞書を引くまでもなく、大変な(つらい、苦しい)経験や事態をくぐりぬける、といった意味合いだと想像がつきます。
その通り、"rought patch"とは困難や憂き目、といった状況を意味する表現なのでした。
そして、"go through rought patch"といった表現の他にも、類似の表現として、
strike a bad patch
hit a sticky patch
などといったいくつかのバリエーションがあるようです。
ところで、"patch"は継ぎはぎ(当て布)のことですが、"rought patch"が苦境を意味するようになった起源については色々調べてみたものの判然としません。
衣服に継ぎはぎをしなかればならないくらい貧しいことを指しているのでしょうか?
一説には、"patch"とは区画(部分)のことであり、例えば道路の水溜りや舗装の悪い部分のことが"rough patch"であるから、人生の道程を喩えたもの、という見方もあるようです。
では、"sticky patch"は?
ガムが落ちているような道端でしょうか!?踏んづけてしまったら不運には違いありませんが・・・。
日本語では困難な道程を指して「茨の道」と言いますが、それに相当する英語表現のように思えました。
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