「玄関マット」のことですが、言うまでもなく屋内に入る際に、靴に付いた泥や水気を取るために床に置かれるマットのことです。
比喩的に、いつも踏みにじられている存在、人、という意味で用いられるようになりました。
用例をニュース記事に求めてみました。まずは分かりやすい例から。
Your boss wants you to stay late and complete a project while reminding you that he can’t give you overtime pay? Say no and walk out when your clocked time is up.
(Kristen Mae. How To Say No And Set Boundaries When You’re Used To Being A Doormat. Scary Mommy. September 18, 2021.)
使われているのは記事のタイトル部分です。残業を命じておきながら、残業代は出ないと言う上司。使われる部下は"doormat"です。
もうひとつ、少し前の記事ですが、用例として興味深いので取り上げます。
Vulnerable House Democrats are already being targeted over the massive tax hikes Speaker Nancy Pelosi is backing to pay for President Biden’s $3.5 trillion social welfare package.
The National Republican Campaign Committee launched a five-figure ad campaign on Thursday attacking Democratic lawmakers for “selling out their constituents” by refusing to buck one of the largest tax increases in U.S. history.
(‘Doormats’ for Pelosi: Vulnerable Democrats under fire over proposed tax hikes. The Washington Times. September 16, 2021.)
こちらもタイトル部分で使われているものです。政治でのコンテクストなので少し分かりにくいのですが、増税をめぐる与野党の応酬の話です。かつてないほどの増税を計画する民主党を攻撃する野党・共和党の矛先は下院議長のペロシ議員に向けられています。
ここでは、米国民が歓迎しない増税を支持しようとする民主党議員がペロシ氏の"doormat"に成り下がっている、と言っているようです。
支持者にそっぽを向かれてしまえば、議員は次の選挙では勝てないかもしれませんが、党の方向性、方針には合わせなければならない訳で、ここでも強い立場の人間にいいようにあしらわれてしまう下層の悲哀みたいなものが見えます。
ちなみに共和党は民主党議員に本物の玄関マット(doormat)をプレゼントに贈ったとか。皮肉というか、当て付けにも度が過ぎています。
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