オックスフォードと言えば、英語辞書の総本山みたいな存在ですので、興味を引かれたところです。
BBC Newsの記事からの引用です。
The "accepted authority on the English language" has added 26 new words of Korean origin to its latest edition.
With these additions, "we are all riding the crest of the Korean wave" the OED says in a statement.
(Why 26 Korean words have been added to Oxford English Dictionary. BBC News. October 5, 2021.)
オックスフォードはそのオフィシャルサイトで、今回の韓国語の追加を"K-update"と表現していますが、Kとは勿論"Korean"のことです。
追加された単語には、K-pop、K-dramaなど、日本でもお馴染みの韓国文化の表現が含まれるほか、グルメ関連の用語などが見えます。
11年前ですが、当ブログでも英単語になった韓国語を取り上げたことがあります。
ところで、BBC Newsの記事では、オックスフォードの見解として、
With these additions, "we are all riding the crest of the Korean wave" the OED says in a statement.
と引用しています。ここでの、"ride the crest of wave"という表現を今日取り上げたいと思います。
実のところ、今回のニュースに関しては、Yahoo! Japanのニュース一覧に出ていたのを見たのがきっかけなんですが、日本語に翻訳された同記事では、「我々はみな、韓国の波のてっぺんに乗っている」と訳されていました。
いかにも翻訳口調な感がありますが、"crest"とは頂上のこと、波(wave)について言えば「波頭」のことを指します。
「波のてっぺん」は間違いではありませんが、"ride the crest of wave"は英語ではひとまとまりの表現として定着しているようです。
「波のてっぺん」に乗る、というのは、サーフィンでうまく波に乗っていることを指すのですが、得意の絶頂にある(ランダムハウス英和辞書)、(幸運・好調の)波に乗っている(研究社新英和大辞典)ことを指す比喩的な表現です。
時流に乗る、と言っても良いと思われます。
オックスフォードが韓国語を追加したのには、イギリス国内の韓流ブームが背景にあります。(日本でも一昔前、韓流ブームがありましたね。)
先に、この表現が英語ではひとまとまりのフレーズとして定着しているようだ、と書きましたが、コーパスを検索すると多少のバリエーションを持ちながら、多くの用例を確認することができます。
"wave"(波)の他、"boom"や"surge"といった類語に置き換えられているパターンを拾ってみました。
Located at the tip of the Baja peninsula, Cabo San Lucas has long been known to sports fishermen seeking trophy-sized catches. Now it is riding the crest of a tourist boom. It no longer is a hideaway town of 1,500, as it was a decade or more ago.
(Houston Chronicle, 1992)
They are riding the crest of a late-season surge that saw them win seven games in a row and 10 of 11. That's impressive for a team that began the season 5-7.
(USA Today, 2004)
「波のてっぺん」に乗る、とは、ある意味「勢いに乗る」と言い換えることもできそうです。
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