新型コロナによるパンデミックの終息はまだ見通せませんが、次にどんな「想定外の出来事」が発生してパニックになるかと考えると、個人的にはサイバーセキュリティが絡む事故や大規模犯罪ではないかと思います。
そんなことをぼんやり想像してみたりしていたのですが、最近、"killware"という用語が登場したらしいということを知りました。
As most Americans are still learning about the hacking-for-cash crime of ransomware, the nation’s top homeland security official is worried about an even more dire digital danger: killware, or cyberattacks that can literally end lives.
(Josh Meyer. The next big cyberthreat isn't ransomware. It's killware. And it's just as bad as it sounds. USA Today. October 13, 2021.)
USA Today紙の記事で取り上げられているものですが、"killware"とは、言うまでもなく、"kill"と"software"が結合した「かばん語」です。
コンピューターウィルス、という言葉が一般的になったのはいつ頃だったでしょうか。その後、コンピュータや携帯電話、スマホが日常生活の必需品と化し、スパイウェア(spyware)とかマルウェア(malware)、ランサムウェア(ransomware)といった用語が生まれ、新聞等、メディアでも普通に使われるようになりました。振り返ってみると、ランサムウェアという言葉に初めて触れたのは6年も前のことですが、インターネットの技術進歩は速く、今や"killware"と呼ばれる時代だということです。
ちなみに、新語の典拠をUSA Today紙の記事に求めてみますと、この"killware"という用語を最初に用いたのはリサーチ会社のGartnerのアナリストであるWam Voster氏のようです。
A short glimpse in recent history shows us that attacks on OT (Operational Technology) are nothing new. Just think about the Maroochi Shire incident in 2000, Stuxnet in 2009 or Industroyer in 2016. A stark example is the Triton malware first identified in December 2017 on the OT systems of a petrochemical facility. Its purpose was to disable the safety instrumented system (SIS) built to shut down the plant in case of a hazardous event. If the malware had been effective then loss of life was highly likely. It is not unreasonable to assume that this was an intended result. Hence “malware” has now entered the realm of “killware”.
(Wam Voster. The Emergence of Killware, the Lethal Malware. July 21, 2021.)
近年多発しつつある、社会インフラをターゲットにしたサイバー攻撃について言及しており、文字通り人々の命を奪いかねないインシデントを引き起こすものです。
あらゆるものがインターネットに接続されつつある現代社会において、大きなリスクであることは論を待たないでしょう。
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