ブッシュ政権下で国務長官を務めた、コリン・パウエル氏が死去したという訃報が邦紙でも報じられています。同氏は長らく癌を患っていたそうですが、新型コロナウィルス感染に伴う合併症が死因と報じられています。
84歳でした。
Colin Powell, the first Black US secretary of state whose leadership in several Republican administrations helped shape American foreign policy in the last years of the 20th century and the early years of the 21st, has died from complications from Covid-19, his family said on Facebook. He was 84.
(中略)
Powell was a distinguished and trailblazing professional soldier whose career took him from combat duty in Vietnam to becoming the first Black national security adviser during the end of Ronald Reagan's presidency and the youngest and first African American chairman of the Joint Chiefs of Staff under President George H.W. Bush.
(Devan Cole. Colin Powell, first Black US secretary of state, dies of Covid-19 complications amid cancer battle. CNN. October 19, 2021.)
パウエル氏は米国史上初の黒人の国務長官として歴史にその名を刻みました。記事中でも、
a distinguished and trailblazing professional soldier
と表現されており、元々は軍人であり、そこから政界のキャリアを駆け上がってきたものです。
"trailblazing"とは、草分けの、とか、開拓者の、などと訳されますが、黒人としても、軍人としても、キャリアを極めた草分け的な存在と目されているということができます。
ところで、"trailblazing"、また"trailblazer"(開拓者、先駆者)、という単語についてですが、"trail"とは道のことで、その「道」を"blaze"(する)というのは、炎を意味する"blaze"のことだと思っていましたが、これは勘違いでした。
何となく、道を(炎で)照らすとか、雑草だらけの道無き道を炎で焼いて開拓する、というようなイメージを持っていたのです。
ところが、"trailblazing"における"blaze"とは、炎を意味する"blaze"とは語源が異なる別の単語で、樹皮を剥ぎ取って印をつける、という意味なのです。
“blaze a trail”というフレーズとしても使われますが、樹木の皮を剥ぎ取り目印をつけることで、後に続く人が進むべき道が分かるようにする、ということであり、故に先駆者、開拓者、という意味に発展したものです。
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