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2023年12月27日水曜日

go pear shaped

記事の引用からお読み下さい。


Heading off over the Christmas break? And maybe you’re thinking of renting out your main residence on the short-term rental market, such as Airbnb or some similar platform? That can be a great way to fund your holiday, but what if it all goes pear shaped?

Suppose you come back to wrecked appliances or even a trashed house, or what if your renter suffers an injury during their stay? Slips on a wet floor, falls down a set of stairs or gets an electrical shock from faulty wiring. Any of those scenarios could end up costing you a lot more than whatever you’ve earned from the rental.
(Michael Gebicki. Renting out your place while you’re away? Beware this trap. The Sydney Morning Herald. December 26, 2023.)


年末年始のホリデーシーズンですが、旅行中に自身が不在の自宅を他人に貸すというようなビジネスがあるそうです。資産の有効活用というやつです。上手く行けば旅行費用のいくらかを取り戻すこともできて良いですが・・・。

今日取り上げるのは、以下のくだり、


but what if it all goes pear shaped?


という部分で使われている、"go pear shaped"というフレーズです。この表現を知りませんでした。

"pear"は西洋ナシですから、西洋ナシの形のようになる、というのが字義通りの意味です。

手元にある辞書を引くと"pear-shaped"のエントリがありますが、セイヨウナシ形の、というそのまんまの意味と、他には、柔らかみのある豊かさの、朗々とした、という意味が載っているだけで、記事の用例にはいずれも当てはまらないものでした。

それでオンライン辞書などを検索してみると、この"go pear shaped"というフレーズは、


go wrong


と同じ意味合い、つまり上手く行かない、思った通りに事が運ばない、という意味で用いられることが分かりました。

何故、西洋ナシの形になることが"go wrong"の意味になるのか?

この表現はイギリス英語のものとされていますが、諸説あるらしいことが分かりました。

英語辞書の総本山オックスフォードによると、英空軍(RAF)のスラングとあり、墜落して先頭から潰れた機体全体の形状が西洋ナシを彷彿とさせるから、というような説明があります。

なるほど分からなくもありません。

他の説では、これまた飛行機に関連するものですが、上空で旋回軌道を試みた航空機がきれいな円を描けず、西洋ナシのような歪んだ旋回軌道になることになぞらえたもの、というものです。

なるほど、日本の梨がリンゴのように丸い形状をしているのと異なり、西洋ナシは上の部分はやや細長く、なで肩で下部に至って丸みを帯びる形状となっていて、綺麗な「まる」(丸)ではなく、歪んだ「まる」とも言えます。

その他の説では、パンクしたサッカーボール、空気が抜けた気球などの形状、つまり本来円球であるものが西洋ナシのような歪んだ形状に至る状況を意味したものという説、滑って尻もちをついたイメージ、など、やはり西洋ナシのいびつな形状に重ねたものとなっています。

似た意味合いの表現、"go south"もご覧下さい。


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