グーグルは同社が提供する生成AIであるGeminiの画像イメージ生成機能を停止すると発表しました。
背景には生成AIが不正確、また不適切な画像イメージを生成してしまうという問題があるようです。
Google halted its image generation feature within its Gemini artificial intelligence platform from making images of people Thursday after the program created inaccurate responses to prompts.
The Verge published multiple screenshots of the program creating historically inaccurate images Wednesday, including people of color in Nazi uniforms when the program was prompted to "generate an image of a 1943 German Solder."
(James Powel. Google suspends AI image feature from making pictures of people after inaccurate photos. USA Today. February 25, 2024.)
生成AIのこうした問題点については今日大きな問題になっています。AIに指示を出すのは人間であり、その指示内容に応じてどのような出力をするのかも現段階では人間が調整しているところ、内容の正確性、適切性のコントロールは完璧たり得ない、といったところでしょうか。
さて、生成AIのコンテクストにおいて最近とみに使われるようになった言葉に、「プロンプト」(prompt)があります。上記引用では動詞、名詞、両方で使われています。
英単語の"prompt"には、まず動詞として、刺激する、促す、誘発する、という意味があります。また、指示する、という意味もありますので、AIに対して問い掛けをしたり、アウトプットを要求する際の具体的な質問、指示内容がプロンプトと言われている訳です。
コンピュータの扱いに慣れている人がプロンプトと聞いて思い浮かべるのは、ウィンドウズOSでコマンド入力によって様々な情報を出力することができる機能である「コマンドプロンプト」ではないでしょうか。
American Heritage Dictionaryの"prompt"のエントリには。
Computers A symbol that appears on a monitor to indicate that the computer is ready to receive input.
という定義が載っており、"prompt"はコンピュータがユーザの入力待ち状態であることを示す「記号」とあり、これはウィンドウズOSだと例の「>」の符号を指すものと思われます。
手元にある研究社新英和大辞典(第五版)は1995年の版で、ウィンドウズ元年ではありますが、このような意味合いは載っていません。
"prompt"にはこの他、舞台などでセリフを思い出せるようにかける言葉や合図、きっかけ、またそうした手助けをする、という意味もあります。政治家などがスピーチの際に演台に用意された「プロンプター」はここから来ています。
英単語"prompt"の語源はラテン語promoで、提示する、という意味です。正確には、動詞promoの完了受動分詞形promptusから来ており、提示された(もの)、という意味になります。
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