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2024年2月29日木曜日

neopronoun

アメリカでテレビ放送されている人気クイズ番組が炎上しています。

番組内で出題されたクイズの内容が物議を醸しているというのですが・・・。


Jeopardy! has come under fire on social media over the inclusion of a clue regarding neopronouns during Monday's Tournament of Champions quarterfinal.

During the episode, contestant Cris Pannullo selected a category called "Speech! Parts of Speech!" for $600. He was then presented with the words "Xem, Xyrs, Xemself," to which he correctly responded: "What are pronouns?"

"Those are pronouns," host Ken Jennings responded. "Neopronouns."
(Ryan Smith. 'Jeopardy!' Is in Hot Water—'Never Watching Again'. Newsweek. February 28, 2024.)


問題になっているのは、クイズの設問(ここではヒントというのが近いと思われます)の内容、


Xem, Xyrs, Xemself


です。

これらは性自認を男性もしくは女性に特定されることに反発する考え方、いわゆるgender neutralityに配慮した代名詞で"neopronoun"と呼ばれています。これについては以前取り上げたMx.、"they"などをご覧下さい。

このヒントに対するクイズ挑戦者の回答、


What are pronouns?


が正答とされたということに対し、昨今のgender neutralityを苦々しく思っている視聴者が一斉に番組を批判した、ということです。

なお、この設問と正答の解釈については、若干補足説明が必要でしょう。

当該クイズ番組では、設問(ヒント)としていくつかの単語、もしくはステートメントを与え、対して回答者はそれらを導く質問を疑問文の形式で回答する、という形式になっています。つまり、普通のクイズであるような、質問、回答の位置付けが逆になっているのです。

これは今回のケースで何を意味するでしょうか?

例えば、「ジョージ・ワシントン」と設問(ヒント)が提示されたとします。それに対する正答は、「アメリカ合衆国の初代大統領は誰か?」というものとなります。

従って、"Xem, Xyrs, Xemself"という提示があって、"What are pronouns?"という回答は、gender neutralityを支持する人達にとってはそういう捉え方は当然あり得ますが、そうでない人々にとっては正答たり得ません。gender neutralityを苦々しく思っている人達からすれば、それらは正しい代名詞(pronoun)ではないのですから。

今日の1語、"neopronoun"についてはくどい解説は不要でしょう。

今回の反発を受けて、番組側が、


What are pronouns?


は不正解で、


What are neopronouns?


が正解でした、と訂正するならば、そうした人達の溜飲も多少は下がるかも知れません。

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