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2012年6月6日水曜日

ニューヨークでもバス事故 ― to blame

先のゴールデンウィーク中に関越自動車道で痛ましいバス事故があったことはまだ記憶に新しいところです。ガードレールと防音壁の僅かな隙間にバスが衝突してしまったことで、車体が縦方向にほとんど真っ二つに割かれてしまったような様相を呈した惨状は、高速道路事故の怖ろしさを伝えています。

似たような事故、といっては不謹慎かも知れませんが、やはり高速道路でのバス事故がアメリカ・ニューヨークで発生したらしいことを、Twitterのタイムラインで知りました。この事故では、横すべりしたバスの車体が道路標識の柱に激突し、柱がバスの屋根部分をほとんど切り取ってしまったようにえぐっています。(写真は記事から見ることができます。)


Bad highway design is partly to blame for a Bronx bus crash that killed 15 people, National Transportation Safety Board investigators said today.

In a dramatic computer-generated animation, the NTSB recreated the final moments of the accident, showing how a highway sign post sliced off the top of the bus.

The sign post was just 15 feet away from the travel portion of the roadway.

Usually, such obstacles are at least 30 feet from the roadway, the NTSB says.
(Bill Sanderson. Bad highway design partly to blame for last year's fatal Bronx bus crash: NTSB. New York Post. June 5, 2012.)


乗客15名が亡くなったこの事故ですが、運転手の疲労が事故を招いたという点では関越での事故と共通するものがあります。が、もう1つ、"bad highway design"を要因の1つとして挙げている点がこの記事の焦点です。

今日は、"blame"という単語を取り上げましたが、ごく基本的なこの単語を取り上げたのは改めてその使われ方に着目してみたためです。"blame"を辞書で引くと、他動詞(v.t.)として載っています。

ほとんどの場合、"blame"は他動詞として、目的語には人(人称代名詞)を取り、さらに前置詞"for"以下で責めの内容を記述するという構造を取る、ということで覚えておられる方が多いでしょう。例えば以下の例文です。


Like Brown, DeVore could tap into a network of Tea Party supporters and others who distrust President Obama and blame him for adding to the nation's spiraling debt.
(San Francisco Chronicle. 2010.)


バス事故の引用記事ではちょっと違っており、他動詞ではなく、つまり目的語がなく、自動詞的に用いられていることに注目して下さい。


Bad highway design is partly to blame for...


という構造になっていますが、"blame"の目的語にあたるもの(ここではbad highway design)が主語に来ています。これは解釈すれば、


Bad highway design is responsible for...


と言っているのとほぼ同じです。そう思いながらランダムハウス英和辞書を見ていたら、"be to blame"という見出しでエントリがありました。また、American Heritage Dictionaryでも、"to blame"はイディオム(idiom)として載っています。

be動詞に続く"to"+不定詞、という構造自体はさほど珍しいものでもありません。そのような例は枚挙にいとまがありません。


So one way to check to make sure it's healthy is to look at the tree and inspect it.
(NBC Today. 2010.


しかしながら、この引用例と上記の"to blame"の用法は異なることはお分かりいただけると思います。つまり("blame"の場合は)本来の他動詞として用いられる場合の目的語が文の主語になっているという点です。

そのような特徴を持つがゆえにイディオムとしてのエントリが特別に設けられているのだと勝手に解釈しているのですが、このような構造を取る動詞が"blame"の他にもあるか探しています。


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