12月16日、日曜日の衆院選が終わって一夜明けました。新聞の朝刊は1面に大きな見出しで、自民党、公明党が320議席を獲得し、与党・民主党の惨敗を報じています。投票率が低かったという事実が影を落としていますが、結果は結果。
海外メディアに目を向けると、米国を始め多くのメディアが日本の衆院選結果を大きく報じています。
まず目に付いたのが、今回の結果を受けて新しく首相となるであろう、安倍・自民党総裁に関する記事です。下記はロイターの見出しです。
Japan's next PM Abe must deliver on economy, cope with China
(Reuters. December 17, 2012.)
今日は、"deliver on"という表現を取り上げたいと思います。
"deliver"という動詞は、“配達する”という意味がありますが、ここでは、"deliver on"であり、自動詞として用いられています。
(約束・誓いなどを)果たす
という意味です。特に政治や選挙の話題としては、
公約を果たす
という表現になるでしょうか。"deliver (on)"という表現は、政治、選挙のコンテクストでよく使われる表現です。今回の衆院選の報道においても、簡単に見つけることができます。言うまでもなく、与党・民主党が今回大幅に議席を失うことになった理由が、マニフェストや公約に謳った公約を果たせなかったことに大きく関連しているからでしょう。
The LDP, which governed for all but 11 months between 1955 and 2009, has capitalised on popular anger over the DPJ government's failure to deliver on a promise to replace pork-barrel politics with a new focus on families, welfare and healthcare.
(Japanese voters go to the polls. The Guardian. December 16, 2012.)
LDP(Liberal Democratic Party of Japan)は自民党、DPJ(Democratic Party of Japan)は民主党のことです。(ご存知かとは思いますが、念のため・・・。)
Since the landslide DPJ win, critics say the party has failed to deliver on a series of promises, including vows to crackdown on wasteful government spending, and promises of cash incentives to encourage young couples to start families.
(Japan Votes in Key Parliamentary Polls. Voice of America. December 15, 2012.)
上記引用の2つの記事では、"deliver on"に続く名詞として、"promise"が使われています。
The results were a rebuke to Prime Minister Yoshihiko Noda's Democrats for failing to deliver on a series of campaign pledges and for doubling the sales tax to 10 percent to meet growing social security costs as the population ages and shrinks.
(Exit Polls Suggest Japanese Opposition Party Victory. NPR News. December 16, 2012.)
この引用記事では、"(campaign) pledge"という単語が使われています。
どちらも、“(選挙)公約”の意味であると解釈して差し支えないでしょう。
新しく政権を担う自民党にも、"deliver on"することが求められています。冒頭引用したロイターの記事では、
deliver on economy
ですから、経済再生(デフレ脱却)で成果を出すことが特に強調されているようです。期待に沿うことができるのでしょうか?果たしてどうなることでしょう。
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