最近30日間のアクセス数トップ3記事

2013年9月6日金曜日

ロシアでG20サミット始まる ― lion's den

連日シリア情勢に関するニュース記事となりますが、今日は下記の引用をご覧ください。


President Barack Obama is heading into the lion’s den of Russia, confronting Syria’s key patron as well as foreign leaders skeptical of his call for an international military strike against Bashar Assad’s government.

Obama on Thursday began a two-day visit to St. Petersburg for the Group of 20 economic summit, putting him in the same country as Edward Snowden for the first time since the American fugitive fled to Moscow earlier this year. Both Syria and Snowden have been sore points in an already strained U.S.-Russian relationship, fueling the notion that Obama and Russian President Vladimir Putin just can’t get along.
(Josh Lederman. Obama enters the lion’s den: U.S. President in Russia to talk Syria. The Globe and Mail. September 5, 2013.)


今日取り上げる表現は、"lion's den"です。

"lion's den"とは、直訳するならば“虎穴”、つまり“虎穴に入らずんば、虎児を得ず”の諺もあるように、虎穴とはできれば入りたくない場所、しかしながら目的達成のためには避けて通ることのできないもの、を言います。この成句は聖書で預言者ダニエルが国王の命に背いたためにライオンのすみかに入れられたという物語に由来するということです。

さて、記事の用例を解釈しますと、"the lion's den of Russia"とは、ロシア、イコール"lion's den"ということになるかと思います。シリアに近いとされているロシアは今回のG20の議長国となりますが、シリアへの軍事介入の是非を巡ってプーチン大統領とオバマ大統領の対立が懸念されています。

そしてもう1つ、アメリカ政府による監視プログラムを暴露したCIA元職員が亡命申請し現在とどまっているのがロシアであり、この1件からもロシアとの関係がぎくしゃくとしているとされています。

このような2つの外交問題がある中で、オバマ大統領の今回のロシア訪問はまさしく"lion's den"に踏み入るに等しいというところでしょう。

ちなみにこの成句の由来である聖書のストーリーでは、"lion's den"に放り込まれたダニエルはその後無事解放され、国王を唆してダニエルを落とし入れようとした人々が逆に"lion's den"に放り込まれる憂き目にあったということです。

オバマ大統領の命運や如何に!?


0 件のコメント:

コメントを投稿