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2018年2月16日金曜日

対北朝鮮に"bloody nose"攻撃はあるか?― bloody nose

北朝鮮の金労働党委員長が韓国の文在寅大統領の訪朝を要求し、大統領も訪朝の方向性で調整中と先日報道されました。

その一方で、日米は北朝鮮が核兵器開発を放棄するまで圧力をかけ続けるべきと主張し、韓国に対しては北朝鮮に取り込まれる危険性を警告しています。

平昌オリンピックが開催中ですが、オリンピック終了後の南北朝鮮関係はどう展開するのでしょうか?


WASHINGTON (Reuters) - The senior U.S. diplomat for Asia, Susan Thornton, said on Thursday she understood the Trump administration had no strategy for a so-called bloody nose strike on North Korea, but Pyongyang would be forced to give up its nuclear weapons “one way or another.”

President Donald Trump’s administration says it prefers a diplomatic solution to the crisis over North Korea’s development of nuclear missiles capable of hitting the United States.

But U.S. officials have told Reuters and other media that Trump and his advisers have discussed the possibility of a limited strike on North Korea that would neither knock out its program nor overthrow leader Kim Jong Un’s government.
(David Brunnstrom. No 'bloody nose' plan for North Korea: U.S. official, senators. Reuters. February 16, 2018.)


引用した記事はロイター通信からのものですが、トランプ政権の北朝鮮に対する今後の対応に関する内容です。その中で、


a so-called bloody nose strike


と出てくるのですが、この"bloody nose (strike)"という表現を解釈してみたいと思います。

"bloody nose"は鼻血で血まみれになった鼻のことですから、鼻血を出させるような攻撃、ということになります。具体的には何を言わんとしているのでしょうか?

記事は下記のように続きます。


Such talk of a “bloody nose” strike has alarmed Korean experts who said that this could trigger catastrophic retaliation, but it has died down since North and South Korea resumed talks last month and North Korea joined the Winter Olympics in South Korea.
(ibid.)


記事のタイトルと引用の最初の段落からお分かりのように、トランプ政権は"bloody nose strike"は選択肢には無い、としているのですが、上記引用にあるように、このような"bloody nose strike"により、(北朝鮮による)破滅的な報復攻撃を招く恐れがある(could trigger catastrophic retaliation)ということが背景にあるように読めます。

そうしますと、最初に引用した第2段落目の内容と一致してくるのですが、"bloody nose strike"とは、


a limited strike on North Korea that would neither knock out its program nor overthrow leader Kim Jong Un’s government


である、と解釈できるでしょう。

つまり、相手を壊滅させるような総攻撃ではなく、限定的な先制攻撃のことであると言えます。

Merriam-Webster Dictionaryには、"bloody nose"という表現のエントリがあり、


a usually minor wound, injury, or defeat


と説明されていました。

つまり、鼻血というのは「軽傷」であり、決定打ではないのです。

"bloody nose strike"とは、相手を怯ませる程度の効果はあるかもしれませんが、その一撃で壊滅させるようなものではないということになります。


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