日本語でもカタカナで使われている「タレント」(talent)ですが、イコール芸能人、というイメージでしょうか?
勿論、英語のtalentを知っている人は、"talent"が才能の意味であることをよく分かっています。芸能人と呼ばれる人たちも一般人である我々に色々と批判されて、こきおろされてしまう人は多いですが、ある才能を持って輝いているという方もいます。
ところで、この"talent"の語源について考えてみたことはありますか?
たまたまでしたが、英和辞書の語源欄を見てこの単語の興味深い語源について知った次第です。
Merriam-Webster Dictionaryに下記のようにあります。
Middle English, from Old English talente, from Latin talenta, plural of talentum unit of weight or money, from Greek talanton pan of a scale, weight; akin to Greek tlēnai to bear; in senses 3–5, from the parable of the talents in Matthew 25:14–30 — more at tolerate
(Merriam-Webster)
お読みいただけると分かるように、"talent"とは元は
unit of weight or money
を意味するラテン語のtalentumの複数形talentaから来ているのです。
そして、さらに興味深いことには、「才能」なる意味は聖書のマタイ伝に出てくる物語に因む、ということです。
さっそくマタイ伝の当該箇所(25:14~30)をチェックしてみました。
物語によると、主人は3人のしもべ達に、能力に応じて、それぞれ5タラントン(talentum)、2タラントン、1タラントンを預けたとあります。この「タラントン」は英訳によっては"bags of golds"とあり、お金のことです。
5タラントン、2タラントンをもらった2人はそれで商売をして儲けてさらに増やし、主人を喜ばせたのですが、1タラントンをもらった1人は地中にそれを隠し、主人からは叱咤されたといいます。
とまあ、このような寓話なのですが、ここから何を読み取るかについては聖書の専門家におまかせするとして、しもべ達の能力に応じて富を配分したということから、それに応えてさらに富を増やすことの出来た2人と、活用することができずに終わった1人はそもそもの資質が違っていたということになりましょうか。
才能と努力、というように対比されるところの才能は生まれ持った資質ということですが、資質ある人には投資がなされる聖書の寓話はある意味"talent"の本質を指しているとも言えるでしょう。
2018年4月6日金曜日
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