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2019年10月2日水曜日

scourge

米国では電子タバコによる健康被害が深刻な状況になっているらしいことを先日来ニュースのヘッドラインで知りました。

最近では死亡例も出ているということで、トランプ政権はいわゆるVapeと呼ばれる吸入式の電子タバコ製品の販売を禁止する方針を打ち出しています。


At the moment, the leading public-health issue in the news is vaping. Push alerts mark incremental tallies in people hospitalized with serious respiratory illnesses related to vaping. So far this year the number is 805 — with a median age of 23 — according to a widely discussed report released by the Centers for Disease Control and Prevention last week. The week prior, 530 hospitalizations had been reported. The number of deaths related to vaping has grown to 12.

In September, President Donald Trump announced a commitment to ending the vaping scourge: “We can’t allow people to get sick, and we can’t have our youth be so affected.” In addition to the youth of the victims, uncertainty about exactly what’s causing this spike in sickness has fueled an emotional public response.
(James Hamblin. The Actual Harms of Vaping. The Atlantic. October 2, 2019.)


上記の引用の中で、


President Donald Trump announced a commitment to ending the vaping scourge


という箇所がまさしくトランプ大統領による方針を示していますが、この"scourge"という単語について取り上げたいと思います。

"scourge"を辞書で引くと、拷問の道具としての鞭(むち)という意味が最初に出てきますが、記事のコンテクストでは、


苦難(災難)の原因、悩みの種、不幸のもと、社会悪
(ランダムハウス英和辞書)


という意味となります。

つまり、トランプ政権では電子タバコを人々に不幸をもたらす社会悪と捉えているということになります。

語源に目を向けてみると、アングロフランス語のescourgierから来ているらしく、語頭のeが脱落したいわゆる頭音消失のパターンかと思われます。

そのescourgierはさらに遡るとラテン語に行き着くのですが、ラテン語のexcorrigiareは接頭辞のex-とcorrigia(革ひもの意)から成っており、なるほど元の意味としては鞭(むち)であるということになります。

鞭で打たれることでもたらされる苦痛という意味合いに発展したのは、"scourge"が苦しめる、悩ますという動詞の意味を持っていることとも関連しているように思われます。


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