イギリス王室のハリー王子と妻のメーガン妃が、ロイヤルファミリーとしての務めからは距離を置いて新しい一歩を北米で踏み出したいとSNSを通じて公表したことが波紋を呼んでいます。
「北米」(North America)というのは具体的にはカナダを指し、ハリー王子夫妻と生まれたばかりのアーチーちゃんの家族はイギリスを離れて、カナダを主な居住地とする生活を構想しているようです。
この突然の表明に、カナダは「ノー」を突きつけるという様相を呈しています。
The Globe and Mail, one of Canada's biggest newspapers, appears to not be happy with Meghan Markle and Prince Harry's decision to spend extended amounts of time in the country.
The paper published an editorial Monday titled "Harry and Meghan, and why members of the Royal Family can’t live in Canada," which says the relocation violates laws that keep Canada separated from the British monarchy that previously ruled over the country.
"In response to the sudden announcement of a vague and evolving plan for the Duke and Duchess of Sussex -- Prince Harry and Meghan -- to move to Canada while remaining part of the Royal Family, the Trudeau government’s response should be simple and succinct: No," according to the editorial, which referred to Canadian Prime Minister Justin Trudeau.
(Nate Day. Major Canadian newspaper says Meghan Markle, Prince Harry 'can't live' there. Fox News. January 16, 2020.)
カナダの有力紙であるThe Globe and Mailが出した社説というのが取り上げられています。
引用したFox Newsの記事と共に興味深く読みました。
何故、ハリー王子夫妻とその子供はカナダに居住することができないと主張するのか。
その理由は単にハリー王子一家の警護にカナダ国民の税金が投入されることに対する国民の反発といったことだけではないようです。
社説の立場は、君主制(monarchy)を掲げるイギリス連邦の一国として位置付けられるカナダとして、ハリー王子とメーガン妃がイギリス王室としての身分を保ったままカナダ国内に居住することの矛盾を指摘するもののようです。
“monarchy”という単語は、mono-という接頭辞と、支配者を意味するギリシャ語由来の名詞archが連結したものです。
唯一の支配者(君主)としてのエリザベス女王が、イギリスとイギリス連邦(大英帝国の旧植民地であった主権国家を含む国家連合)に君臨している訳で、カナダという国はそもそもイギリス連邦の枠組み下で一独立国家として存在しています。
カナダは自国に王室を持たず、イギリスのエリザベス女王を君主として戴いているというところ、王室のファミリーであるハリー王子一家が国内に居住するという事態は、カナダがこれまで維持してきた君主体制(monarchy)と相容れないというのが社説の論調のようです。
当のエリザベス女王はハリー王子とメーガン妃の決断に理解とサポートの姿勢を示したと報道されていますが、受け入れる側のカナダは異なる立場を表明している訳で、今後の展開が注目されるところです。
2020年1月16日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿