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2020年9月3日木曜日

in the ring

先日、ミススペルの話題として取り上げた、マサチューセッツ州での上院議員選挙の民主党予備選の記事ですが、名門ケネディ一家の候補、Joe Kennedy氏が現職のEd Markey氏に敗れるという結果に終わったようです。 

 やはり自身の選挙公報で地元の都市名を書き間違えるというミススペルが祟ったのでしょうか。


The Kennedy family's perfect record in Massachusetts elections ended on Tuesday when Congressman Joe Kennedy III conceded to incumbent Senator Ed Markey in the Democratic Senate primary. The grandson of Robert F. Kennedy took the stage at his campaign headquarters in Watertown shortly after 10 p.m. to address the press and thank campaign staff.
 (Eleanor Watson. Ed Markey beats Joe Kennedy III in hotly contested Massachusetts Senate primary. CBS News. September 2, 2020.) 


引用したのは記事のリード部分ですが、投票日の深夜、開票の結果がほぼ出たところで、ケネディ氏が敗戦の弁を述べ、選挙応援スタッフに感謝する、といった記述です。(このあたり日本の選挙でもおなじみの光景が思い浮かびます。) 

ところで、記事を読んでいきますと、さすが名門ケネディ一家とあって、支援者には事欠かなかったようです。

ケネディ氏は同氏を支えてくれた多くの人に対して感謝のコメントを述べています。 最後の部分で、自身の子供にもメッセージを託すあたり、如何にもアメリカ人っぽい感じがします。


His final thank you was to his two young children, Ellie and James who are four and two years old. "To Ellie and James, who probably will not see this until tomorrow and won't understand it for a long time, if there's one message from your dad tonight, always spend your life in the ring," Kennedy said. "It is worth the fight." 
 (ibid.) 


まだ、4歳と2歳という幼い子供(会見が行われた夜10時には既に眠っています)へのコメントなんですが、 


 always spend your life in the ring 


という部分が目に留まりました。 

続けて、 


 It is worth the fight. 


とあることから、"ring"が戦いの場を表していることは明白です。

自らの子供たちにも政治家としての道を歩んでほしいのでしょうか。(あるいは自身の仇を取って欲しいと?)

ここで使われている"in the ring"に、選挙戦、政争の意味があるとは、辞書を確認するまで知りませんでした。 

 "ring"と聞くとボクシングリングを思い浮かべますが、敢えて選挙を戦う場、の意味があるとは知らなかった訳です。 

考えてみれば、選挙戦を"race"(レース)と称することは英語に限らず、日本語でもよくあるので、メタファーの一種としては有り得るのですが、"ring"になぞらえている表現を見たのは初めてでした。 

調べてみると、"in the ring"が使われている他の表現として、"throw one's hat in the ring"というものがあり、こちらは競争に参加する、という意味ですが、やはり選挙のコンテクストで使われることが多いらしく、政治的な地位や職に立候補する、という意味の成句だそうです。 


That puts Suga in much better standing than Seiko Noda, who often gets a lot of media play as the only female LDP member who consistently throws her hat in the ring for party president. She is also an independent but is unlikely even to garner the nominations necessary to be able to run.
 (Michael MacArthur Bosack. All you need to know about how Abe’s successor will be chosen. The Japan Times. August 31, 2020.) 


引用したのはジャパン・タイムズの記事ですが、先週末、持病の再発を理由に突然辞任表明した安倍首相の後継に立候補する顔ぶれについての記事です。



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