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2020年9月8日火曜日

ジョコビッチ選手の代償 ー love

昨日の投稿で、テニスのジョコビッチ選手が全米オープンで失格処分になった記事を取り上げました。

自身の劣勢に腹を立てて怒りに任せて放ったボールは、グランドスラム達成の目標を台無しにしてしまうという高い代償となってしまいました。

今日もこの話題に関する記事から引用します。


Tennis star Novak Djokovic is getting some tough love after an accidental ball flub got him tossed from the U.S. Open.

Fellow tennis great John McEnroe said Sunday that the Serbian pro would "be the bad guy the rest of his career" after he accidentally hit a line judge with a tennis ball Sunday in a stunning turn of events that saw him disqualified from the tournament in just his fourth-round match.

"The pressure just got to him, I think," McEnroe said on ESPN. "I think a lot’s been going on off the court, it’s obviously affected him. And now, whether he likes it or not, he’s going to be the bad guy the rest of his career. It’ll be interesting to see how he handles it."
(Melissa Leon. John McEnroe on Novak Djokovic's US Open disqualification: He'll 'be the bad guy the rest of his career'. Fox News. September 7, 2020.)


記事の冒頭部分ですが、


Tennis star Novak Djokovic is getting some tough love...


という部分の"love"は、愛情の「ラブ」ではなく、テニスのスコアでいう、零点(ゼロ)を意味しています。

なぜ"love"がゼロの意味になるのでしょうか?

これには諸説あるらしく、Merriam-Webster Onlineの解説が参考になります。

まず、テニスがフランスで生まれ、その後英国に渡ったということなんですが、フランスで卵を意味するl'oaefが、イギリス人には発音が似ている"love"と誤って解釈されたというものです。

卵の形状が数字のゼロを想起させる、ということなのですが、どうやらこれはいわゆる民間語源(folk etymology)というやつで、信憑性に欠けるということです。(何より、フランス語で卵が数字のゼロを意味するという根拠は乏しいようです。)

もう1つの説が、"love"はその本来の意味である「愛」のことであり、プレーヤーが得点や勝ち負け、賞のためではなく、テニスというスポーツそのものへの「愛」があればこそプレーする、というそのことから得点ゼロを"love"というようになったというもので、どちらかと言えばこちらの説が支持されているようです。

それにしても、テニスにおけるスコアリングというのは変わっているようで、1点目は"fifteen"(15)、2点目が"thirty"(30)、というそうです。

そして、3点目は「45」かというと、そうではなく、"forty"(40)、と言いますから、不思議なものです。

ジョコビッチ選手は今回の件により今年の全米オープンは4回戦目にして失格となってしまい、つまりは戦績を残すことが出来ず「ゼロ」になってしまいました。

今後のテニス人生を、テニスというスポーツに対する純粋な愛により取り戻すことができるでしょうか。



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