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2021年4月21日水曜日

サシ?テタテ? ー tete-a-tete

菅首相が訪米し、就任後初めての米大統領との会談を果たしました。

この件に関する米メディアの記事をあまり見かけなかったので、米国内ではあまり注目度が高くないのかな、などと思っておりましたが、USA Today紙のサイトで検索するとあっさり出てきました。 


WASHINGTON – It wasn’t your typical meeting of two world leaders. But it was diplomacy in the era of COVID-19.

President Joe Biden welcomed Japanese Prime Minister Yoshihide Suga to the White House on Friday for talks that touched on the growing economic and military threat posed by China, the coronavirus pandemic, Indo-Pacific security, technology policy and even this summer’s Tokyo Olympics.

The sit-down was Biden’s first in-person tête-à-tête with a foreign leader since taking office in January. Missing was the pomp and circumstance that often accompany visits by a foreign dignitary – a nod to the reality of carrying out the business of the two countries in the middle of a deadly pandemic.
(Michael Collins. Face masks, social distancing: Biden, Japanese Prime Minister Suga practice diplomacy in COVID era. USA Today. April 16, 2021.)


別記事によれば、昼食のハンバーガーに手も付けずに会話に没頭したそうですが、パンデミック下でのソーシャルディスタンスを取りつつ、両首脳は親密さと対中国への連携をアピールしたようです。

この会談については、記事中、


Biden’s first in-person tête-à-tête with a foreign leader


と表現されており、バイデン首相にとっても初めての首脳会談であったとされています。

"tête-à-tête"というのはフランス語の表現ですが、"tête"はフランス語で頭を意味し、逐語訳すれば"head to head"、つまり頭を突き合わせて、ということになります。

差し向かいで、また、打ち解けて、という意味合いですが、会談では通訳のみを交えた二人だけの時間もあったということですから、字義通り、親密な状況だったのでしょう。

ところで、日米首脳会談を伝える邦紙朝刊で、「テタテ」というカタカナを見つけました。

内容から、この"tête-à-tête"を意味しているのは明らかなのですが、「テタテ」と言われて(書かれて)しまうと、この英語(フランス語)表現を知らない人にはもちろん、知っている人にも、何それ?と思ってしまいそうです。

この「テタテ」というカタカナ語は外交用語として定着しているらしく、歴代総理大臣が外国首脳と会談した際にも用いられています。

"tête-à-tête"を敢えてカタカナにすれば、テット ア テット、に近くなるので、誰が「テタテ」というカタカナにしてしまったのかと思う次第です。

日本語にするなら、やっぱり「サシ」ですよね。(ちょっとヤクザっぽいですが。)




1 件のコメント:

  1. フランス語は語尾のeは発音せず、次のaとリエゾンするので、カタカナではテタテットですが、英語と同じように最後のトには母音がないので、『テタテ』になったのかも?

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