イギリスで電気自動車に対する課税が始まるようです。正確に言うと、電気自動車に対しての減税措置を2025年から撤廃するというもので、自動車メーカーなどから嘆きの声があがっています。
日本でも走行距離に対して課税する構想が明らかにされ、議論を呼んでいるところです。電気自動車の普及に水を差すという懸念の一方、国や政府としてはガソリン税収の減少を補うための税収源が必要な訳で、何とも皮肉な話だと思います。
Car makers have expressed dismay over plans to make electric cars subject to vehicle excise duty, in line with petrol, diesel and hybrid vehicles.
The tax will apply from April 2025, the chancellor said in his Autumn Statement.
Nissan, which makes several electric models, said it was concerned about the potential impact on sales of the new tax.
Tim Slatter, the UK chairman of Ford, described the move as "short-sighted".
(中略)
Electric vehicles registered from April 2025 will pay the lowest rate of vehicle excise duty (VED) in the first year, then move to the standard VED rate, currently £165. Those registered from April 2017 will also pay the standard rate.
(Katy Austin. Taxing electric cars 'short-sighted' say manufacturers. BBC News. November 17, 2022.)
さて、今日の1語は、
excise
です。
まず"excise"という字面からして、税という意味合いを想起し難いのではないでしょうか。
実のところ、"excise"という単語はトリッキーです。
"excise"というスペルに接頭辞ex-を認めることができますね。"excise"には、動詞の意味で、取り除く、削る、という意味があります。
一方、税を意味する"excise"は動詞とは異なる単語で、語源も異なります。
語源欄のある辞書には解説があると思いますが、税を意味する"excise"はオランダ語からきていますが、遡るとラテン語censusに由来します。これは英単語でもご存知のように、国勢調査の意味であり、古代ローマでは市民の戸口調査を行い、財産を査定、市民名簿に記載することを指しました。すなわち、課税制度の根拠としたものです。
従って、税を意味する"excise"には、接頭辞ex-が意味するような除外、分離の意味合いはないのですが、動詞の"excise"(ラテン語では動詞excido、その分詞形excisus)と混同されたために、このようなスペルに落ち着いた、ということです。
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