米IT大手では昨年から大規模なリストラが続いていますが、アマゾンも例外ではないようです。
今日見かけた記事によると、メール一通で即時解雇となった従業員もいるとか。日本では考え難いですが、欧米ではよくあることのようです。
Fired Amazon workers griped about the e-retail giant using email to inform them they were no longer needed by the company, according to a published report.
(中略)
“Unfortunately, your role has been eliminated,” wrote Beth Galetti, the top executive at Amazon’s human resources department, in one of the emails.
“You are no longer required to perform any work on Amazon’s behalf effective immediately.”
The Seattle-based e-commerce giant is culling 18,000 jobs from its payroll as part of cost-cutting measures.
(Ariel Zilber. Amazon employees say they were laid off by email: ‘Your role has been eliminated’. New York Post. January 19, 2023.)
メール一通で解雇された従業員は、オフィスの入室許可証も無効化され、社内システムへのアクセスも遮断されたといいます。(これも欧米の会社ではよくあると聞きます。)
ところが!
記事には以下のようなくだりがあります。
To add insult to injury, the laid-off workers were told that because they could no longer access their work computers, they needed to add their work emails and Amazon videoconferencing app Chime to their personal devices, according to Insider.
(ibid.)
会社システムへアクセスすることもできなくなってしまった従業員は、プライベートで所有する端末に社用のメールアカウントやアマゾンのビデオ会議アプリをセットアップさせられているというのです。
これは恐らく、即時解雇とは言っても書類上の手続きなどでは会社との事務的なやり取りが発生せざるを得ない事情があるので、コミュニケーションラインを確保しなければならないからでしょう。会社都合で解雇しておきながら、随分とひどい仕打ちです。
ここのくだりで、
add insult to injury
というフレーズが使われています。
怪我(injury)に対して、(さらに)侮辱(insult)を加える、というのが字義通りの意味になりますが、辞書を引いてみると、
ひどい目に会わせた上になお侮辱を加える、踏んだり蹴ったりの目に会わせる
(研究社新英和大辞典)
とありました。
私は最初、傷口に塩を塗り込む、という表現を思い起こしました。
興味深いことに、このフレーズはイソップ童話に由来があるということです。
そのイソップ寓話ですが、「禿げ頭の男とハエ」という話です。禿げ頭に停まったハエを叩き落とそうとして自分の頭に一撃を加えることになってしまった男に対し、危うく難を逃れたハエが嘲った、というのがその内容です。
"Add insult to injury"は、男がハエに禿げ頭を刺された(injury)ところ、そのハエを叩き落とそうとして自分の頭にさらに一撃を加えることになった(insult)、ということを指していますが、その寓意については様々な解釈があるようで、引用した記事での意味合いとは少し違っているものの、このフレーズがイソップ寓話に由来するというのは確かなことのようです。
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