米国・ミズーリ州の議会が女性議員と職員のドレスコードを改定、その内容が議論を呼んでいます。
改定内容はというと、上着としてジャケット等の着用を義務付けるもので、女性議員側は反発しているようです。「プロフェッショナルな」装いを要求する男性側と、一方的な押し付けであり、装いでは無く能力、資質が評価されるべきと主張する女性側の対立となっている模様です。
Women who serve in the Missouri House will face a tougher dress code when they return to the floor this week after a debate that Democrats panned as a pointless distraction from the issues facing the state.
The new rules require female legislators and staff members to wear a jacket such as a cardigan or blazer. The Republican lawmaker who introduced the change said it was done to ensure decorum and mirror the men’s dress code. Democrats called it ridiculous, saying women shouldn’t be policed for their fashion choices.
(Missouri Democrats say House dress code debate a distraction. Associated Press. January 15, 2023.)
ジャケットの着用ということですが、
a jacket such as a cardigan or blazer
とある通り、カーディガン、またはブレザーが含まれるということです。カーディガンというのはニット地の前開きできる上着を指しますが、妊娠中の女性に配慮して改定内容に含まれることになったようです。
ところで、カーディガン(cardigan)が人の名前に由来する単語であることをご存知でしょうか?
語源解説に載っていますが、"cardigan"の名前は、カーディガン伯爵(Earl of Cardigan)に由来します。
カーディガン伯爵はイギリスの貴族ですが、第7代のJames Thomas Brudenell(1797-1868)という人はクリミア戦争の英雄と称えられた軍人で、ファッションにこだわりのある人だったらしく、この前開きのニット地の上着を好んで着用していたそうです。
Merriam-Websterによれば、「カーディガン」はクリミア戦争において、寒い戦地で防寒に重宝したということです。
ちなみに、以前取り上げましたが、目出し帽を指すbalaclava、そして、ラグラン袖(raglan)もクリミア戦争に因むそうです。(Balaclavaはクリミア半島にある地名、ラグランはこれまたクリミア戦争で指揮官を務めた男爵の名前。)
ミズーリ州議会のドレスコードに関しては、現行のドレスコードだと具体的にどんな点が問題なのか(不適切な装いの女性議員が実際にいるのか、等)、よく分かりませんけれども、ミズーリ州だけに、"I’m from Missouri."、というタイプの人が多いのかなとも思います(笑)
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