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2023年1月5日木曜日

macabre

米・コロラド州の葬儀社が、故人の遺体から不正に得た臓器を売買し利益を得ていたとして摘発され、懲役20年の判決が下されたという記事を読みました。

本人や遺族の同意も了解も無くこうした行為に及んでいた訳で、とんでもない事件だと思いました。


A former Colorado funeral home owner has been sentenced to 20 years in federal prison on charges of fraud and selling body parts without permission. 

(中略)

Prosecutors highlighted the "macabre" crime and described it as one of the most significant body parts cases in recent U.S. history. 
(Peter Aitken. Funeral home owner who dismembered corpses, sold body parts sentenced to 20 years in prison. Fox News. January 4, 2023.)


全くもって、おどろおどろしい事件だと思いますが、記事では、全米でも過去に類を見ない、


the "macabre" crime


と表現しています。

"macabre"というのは、まさしく、おどろおどろしい、とか、ゾッとするような、という意味合いの表現で、フランス語から来ています。

フランス語"danse macabre"(英語では、dance of death)という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。

日本語で「死の舞踏」と訳しますが、中世における死生観とも言われるもので、詩や音楽、絵画などの作品のモチーフにされてきたものです。(有名どころでは、フランスの作曲家サン=サーンスによる交響詩「死の舞踏」が有名です。)

Merriam-Websterによれば、"macabre"は旧約聖書(外典)のマカバイ記(Maccabees)に関連しているらしく、マカバイ記に出てくる殉教者が「死の舞踏」のモチーフに繋がっているとしています。

「死の舞踏」に描かれるモチーフを言葉で示すのは難しいですが、単純化してしまうことをお許しいただくならば、真夜中に出てきた骸骨が、墓場に向かって行進している、そんなイメージです。



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