オーストラリアで、95歳女性が警官にテーザー銃を使われてその後死亡したという事件で、女性の遺族が州政府を相手取って訴えを起こしました。
女性は認知症を患っていましたが、介護施設でナイフを持っていたところを警官がテーザー銃を使って制止しようとした模様です。女性は転倒して頭を強く打ち、1週間後に死亡したというものです。
この件は5月のニュースで読んだので記憶に残っています。
The family of a 95-year-old woman who died after she was tasered by police in an aged care home is suing the NSW government.
(中略)
The grandmother, who had dementia and weighed 43 kilograms, was confronted by police while using a walking frame and holding a steak knife.
(中略)
Senior Constable Kristian White was charged with recklessly causing grievous bodily harm, assault occasioning actual bodily harm and common assault after the incident.
(Lucy Slade. Clare Nowland's family sues NSW government over Taser death. 9 News. July 11, 2023.)
訴えられている警官が問われているのは、95歳という高齢に加えて歩行器に掴まるか弱い老女にテーザー銃を使うことの正当性というところでしょうか。
女性は転倒し、頭を強く打った結果亡くなりましたが、記事では、
grievous bodily harm
という表現が使われています。
ちょっと変わった言い回しだなぁと思って辞書を引いてみると、実は立派な法律用語なのでした。
研究社新英和大辞典では「重傷」、「重大な身体傷害」という訳語になっています。また、手元にOxford Dictionary of Lawがあるのですが、"grievous bodily harm"は略してGBHとも言うそうです。
"grievous bodily harm"のgrievousは"grieve"という単語、またgrieveは"grief"(不幸、不運、またそれらによってもたらされる悲嘆、悲しみ)と関連があります。いずれも、ラテン語gravis(重い)から来ています。
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