先日も取り上げた話題ですが、イギリスでは政府与党関係者が総選挙日程の予想で賭けをしたことが明るみになり、スナク政権が揺れています。
内部事情に通じた関係者による賭博は犯罪になりますが、賭博に手を染めたとされる5人目の関係者が新たに明らかになり、スキャンダルが拡がっている状況です。
以下に引用する記事ですが、記事タイトルに、
spivocracy
という見慣れない表現が使われています。
The election betting scandal will have helped to focus this growing sense among many voters that the party of government has spent their time acting, in the words of former Conservative adviser and commentator Tim Montgomerie like “venal spivs”.
Yet the truth is that this ‘spivocracy’ is not down to a few bad apples, or even to the incompetence and weak leadership of one Prime Minister.
(Adam Bienkov. ‘Elections are a Chance to Make Money’: How the Conservative Spivocracy Cashed in. Byline Times. June 21, 2024.)
"spivocracy"というスペルから、恐らくはspiv-という単語と-cracy(統治、政治)という接尾辞によるかばん語だと想像がつきます。
"spiv"という単語を知らなかったのですが、記事を読むに、良い意味で使われていないことは明らかです。
辞書を引くと、イギリス英語とあります。
a man who lives by his wits without regular employment; SLACKER
(Merriam-Webster Dictionary)
と定義されており、定職もなく(悪)知恵で生計を立てる人、であり、"slacker"とは、怠け者、兵役忌避者、の意味です。
つまりは、今回賭博疑惑で追及を受けている政治家や政府関係者のことを言っている訳で、内部情報を得て、有利な賭けに参じてひと儲けしようと企むようなゴロツキだという訳です。
英国民はこのような政治家、関係者らを見下げており、"spivocracy"とはそうした輩による政治を指しているのでしょう。
ところで、ランダムハウス英和辞書によりますと、"spiv"とは
very important persons
の逆頭文字という説明があります。
俗説だとの断りがありますが、政治家のようなお偉い方々を皮肉った表現とも言えます。
日本の国会議員や地方議員のセンセイ方も"spiv"と謗られないように働いて欲しいものです。
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