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2012年10月22日月曜日

不機嫌なのはPMSのせい? ― debunk

女性の皆さんにはセンシティヴな話題かも知れません。男性の私には分かる訳もない、理解できるレベルを超えた話ですが・・・。

いわゆる”月のモノ”の少し前になると女性が機嫌が悪くなったりするのは科学的(医学・生理学的)な根拠がない、という報告がカナダの専門科らによって発表されたというニュースです。


A woman’s best three-letter excuse for monthly bouts of irritability is being dismissed by a group of Canadian researchers.

Premenstrual syndrome (PMS) is widely used to explain mood swings, food cravings and crying spells that women sometimes experience shortly before their menstrual cycle. But a brave group of female researchers have debunked that idea – and it is sure to set off a firestorm among women who believe their emotional state is more fragile in the days before their period than what the medical evidence suggests.
(Caroline Alphonso. Is PMS a myth? One study says yes. The Globe and Mail. October 18, 2012.)


日本語でも”PMS”(Premenstrual Syndrome、月経前症候群)として知られていますが、記事によりますと、女性の月経サイクルと気分の変化に関する40以上の文献等を調査したところ、月経前に見られるホルモンレベルの変化と抑うつや苛立ちなどのネガティヴな気分との間に明確な相関関係はほとんど認められなかったということです。

この調査結果については当然ながら女性の間から反発も起きているそうですが、調査を担当した大学教授によると、月経前に見られる胸の張りや胃痛といった生理的な症状は別に置いておくとして、気分の変化というものが安易に月経サイクルと結びつけられており、それが却って女性が感情を表出することを妨げる結果にもなっているのではないかという意見を持っているということです。

女性の不機嫌をPMSと決めつけてしまうことは、"myth"(根拠の無い神話)である、ということです。

さて、今日の単語ですが、"debunk"という単語を取り上げたいと思います。

女性の不機嫌はPMSが原因、という考え方は今回の報告で、"debunk"されたということですが、"debunk"を英和辞書で引いてい見ると、


偽りを暴く、正体を暴露する


という訳語が見えます。単語をよく見ると、離脱や分離を意味する接頭辞の"de-"と"bunk"という構造になっていることが見てとれます。では、"bunk"とは一体何を意味しているのでしょうか?

American Heritage Dictionaryに興味深い語源解説があります。

"bunk"というのは、でたらめ、たわ言、という名詞の意味もある単語ですが、その語源は"bunkum"というまた別の単語に由来するそうです。

ではその"bunkum"とは何かというと、地名なのでした。米国・ノースカロライナ州にある、"Buncombe"という地名に由来するのだそうです。この"Buncombe"から選出された政治家が国会で行っていた演説がしばしば中身の無い、空疎なものであったため、"Buncombe"はそのような誠意の無い演説を指す代名詞のようになり、"bunkum"とスペルを変えて定着した、ということです。

空疎で中身のない政治家の言葉はいつの時代も同じでしょうか。何だか今日の民主党政権の状況を想起しますが、首相や大臣の出身地がそのような表現の語源になったら・・・。英単語は面白いですね。


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