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2012年10月2日火曜日

テレビは見ていない方が有害!? ― background TV

"background TV"なる表現があることを知りました。意味の想像はつきますか?


A number of studies have found evidence that too much television is bad for children's development, even when it's playing in the background and kids are not watching. Now a study has tracked just how much background TV kids get and it's a lot — 232.2 minutes or nearly 4 hours worth every day.

The average amount is even greater among some, especially children who are younger, African-American or from the poorest families, finds the study in today's Pediatrics.

The nearly four hours of background TV exposure "easily dwarfs" the 80 minutes of active TV viewing the average child in this age group absorbs daily, says the study.
(Michelle Healey. U.S. kids exposed to 4 hours of background TV daily. USA Today. October 1, 2012.)


テレビ(番組)が教育上あまり良くないといわれることがあります。アメリカでは一歩先を行くのでしょうか、テレビ自体が子供の発育にとって良くないとされており、さらにそれが"background TV"であっても良くない、ということが言われているようです。ここでいう"background TV"とは、


it (=TV) is playing in the background and kids are not watching


ということですから、テレビをつけているだけで見ていない状態のことを指しています。"background music"という表現と同様の成り立ちですが、意外な表現でした。英語という言語のクリエイティビティを感じます。日本語で、”バックグラウンドテレビ”という表現は恐らく成り立たないだろうと思うからです。

調査によると、テレビを実際に視聴している時間が1日平均80分であるのに対して、"background TV"の時間は232.2時間であり、4時間近くにもなるということが分かったようです。

ところで、このような"background TV"が何故、子供の成長に良くないのでしょうか?記事によると、


The study notes that background television exposure has been "linked to lower sustained attention during playtime, lower quality parent-child interactions, and reduced performance on cognitive tasks."
(ibid.)


とあり、バックグラウンドで流れるテレビの音声が影響を及ぼすようです。

わたしは家にテレビを設置していないのですが、偶にホテルなどに宿泊する際、部屋に当たり前のように設置されているテレビをつけるとき、ひどく集中力を奪われる気がします。それはテレビを見ていないときに(つまりテレビをつけているけれども他のことをしているときに)特に感じるのですが、テレビ番組やテレビCMというものは非常に巧妙に構成されており、人間の意識や注意をほとんど強制的に対象に向かせる効果が至る所にちりばめられていると感じます。これはほとんど抗いがたいもので、CMの効果音1つとっても、その刺激を受ける人間の注意を引くという点での効果は絶大です。疑わしいと思うなら、テレビの置いてある食堂などで、食事をしている人たちをしばらく観察してみるとよいでしょう。

まさしく、見ていないけれどもそれが(幼い子供にとっては発育上)有害、という、何とも皮肉な話ではないでしょうか。

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