今週は、民間語源による単語を特集したいと思います。以前に異分析というテーマで単語を取り上げたことがありますが、民間語源は異分析に基づいたものが多いと言われています。
異分析を復習しますと、
捉え方や解釈の間違い、誤解から産まれた単語
という説明をさせていただきました。要は元々の単語を見た人や聞いた人が勘違いしたことから生じた単語ということなのです。
民間語源により生まれた単語というものも少なからず誤解や勘違いによるものがあるようですが、民間語源とは誤解、勘違いに限られるというよりも、単語が必然的にたどる変化の道を示しているように思えます。
民間語源のことを英語で"folk etymology"と言いますが、庶民にとって分かりやすい、なじみやすい形で単語が変化してきているというのがその特徴であろうと思います。
講釈はいいから、という方のために具体例を見ていきましょう。今日の単語は、"cockroach"(ゴキブリ!)です。
語源欄を見ると、"cockroach"は元はスペイン語であるcucarachaに由来すると書かれていると思います。
ところでこのスペイン語cucarachaの"cuca-"とは、毛虫(caterpillar)を意味するスペイン語なのだそうです。American Heritage Dictionaryの語源解説によりますと、この"cuca"は、排泄物を意味する"caca"とも解釈され、文献では"cacarootch"という単語も確認されているそうです。
さて、これらのスペイン語が英語に取り入れられた際に、"cuca"(もしくはcaca)の部分がより馴染みのある、"cock"(雄鶏)というスペルに取って代わられたというのがこの単語の成り立ちだそうです。
当然ですが、ゴキブリと雄鶏(cock)には何の関係もありません。
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