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2013年8月21日水曜日

Number 10

つい先日のことですが、悲劇的な最期を遂げたダイアナ元妃の事故についてロンドン警視庁が改めて捜査に乗り出したという記事を見かけました。日本のメディアでも結構大きく報じられているようですが、元よりスキャンダラスな顛末があるだけに、一般大衆の興味を引くのでしょう。

さて、そのロンドン警視庁のことを、


Scotland Yard


と表現しているのを興味深く思いました。


British tongues are atwitter after Scotland Yard announced over the weekend that police are giving the death of Princess Diana and her car companion Dodi al Fayed a second look, and taking seriously suggestions that the pair was not killed in an accidental crash but rather by special forces sent on a murder mission.
(Cheryl K. Chumely. Scotland Yard launches new look at Princess Diana’s death. The Washington Times. August 19, 2013.)


これはいわゆるメトニミーと呼ばれる修辞法に分類される表現です。日本語では換喩と言われますが、


意味や解説。比喩法の一。ある事物を表すのに、それと深い関係のある事物で置き換える法
(デジタル大辞泉)


と定義されています。

ロンドン警視庁が元々Scotland Yardと呼ばれる地名に存在していたことからこれが愛称のように用いられるようになり定着したということです。

なるほど、考えてみますと日本語でも、警視庁のことをその所在地である桜田門と表現したり、政界を永田町と言ったりするのと同じです。

ところで、今日ニュースを斜め読みしていたら、これまた見慣れない表現に出くわしました。


Number 10 was involved in discussions with the Guardian about material it had obtained from American whistle-blower Edward Snowden, it has emerged.

Prime Minister David Cameron ordered Britain's top civil servant Sir Jeremy Heywood to contact the newspaper.
(No 10 contacted Guardian over Edward Snowden secrets. BBC News. August 21, 2013.)


記事のタイトルにいきなり、


No 10


と出てくるのですが、一体何を言わんとしているのか、(知っている人にはわかるのでしょうが)チンプンカンプンです。

辞書を見て、そして再び記事を読んで、"Number 10"とは、イギリスの首相官邸のことを指す、これまたメトニミー(換喩)であることを知りました。

この"Number 10"はちょっと分かり辛かったですが、"Scotland Yard"に比べて定着の度合いは低いのではないかと勝手に想像しています。上記の引用はBBC(つまりイギリスのメディア)なのですが、イギリス以外のメディアの本件に関する記事では"Number 10"を見かけません。


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