政治家の舌禍事件は絶えることがありません。昨日も、参院選で勝ったばかりの安倍内閣にダメージを与えかねない事件がありました。麻生副総理(兼財務大臣)による“ナチスの手口に学んだらどうかね”発言です。
この人は懲りない人だなあと個人的に思うのですが、憲法改正に懐疑的な人たちを勢いづかせることは間違いないでしょう。
TOKYO — Japan's finance minister on Thursday publicly retracted comments he made this week that appeared to call on Japan's current conservative government to emulate Hitler’s takeover of prewar Germany. The gaffe underscored the potential for disputes over Japan’s own wartime history to derail its popular prime minister, Shinzo Abe.
The finance minister, Taro Aso, insisted that his comments on Monday, in which he seemed to say that Japan should learn how the Nazi party quietly rewrote Germany’s Constitution, were taken out of context. Faced with growing criticism in Japan and abroad, he countered that he had never meant to praise the Nazis. He said he had hoped to prompt debate in Japan over whether to change its current pacifist Constitution to allow a full-fledged military, as many conservatives now seek.
(Martin Fackler. Japan’s Finance Minister Retracts Statement on Nazis. The New York Times. August 1, 2013.)
舌禍が報じられて当人が釈明に追われる際に必ずといっていいほど聞かれる理由が、
(当人の発言が)“前後関係を無視して取り上げられている”
“前後の文脈を読んでいただければそのような意図ではないことが分かるはず”
といったものです。
ここでキーワードとなるのが“前後の文脈”、“前後関係”ということなのですが、引用した記事では、この“前後の文脈”、“前後関係”のことを"context"と表現しています。
"taken out of context"とは、前後関係から外して(取り上げられた)、という意味です。
たしかにマスコミの報道の中には問題になりそうなきわどい表現だけを取り上げてあげつらう傾向があると思われるものも多いです。ランダムハウス英和辞書の例文に以下のようなものがありました。
You have misinterpreted my remark because you took it out of context.
(私の批評を前後関係から外してお取りになったから誤解なさったのです。)
今の麻生サンに教えてあげたら良さそうな例文ではありませんか!海外のプレスにも上の例文1つで対応可能でしょうか(笑)
私は朝刊で“前後の文脈”を含めた発言の全体を読んだのですが、よく分からない内容だという感想を持ちました。そもそもこの人の発言はいつも謎めいていて、真意がどこにあるのか分かり辛い、というのが印象です。
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