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2014年1月31日金曜日

奪われたツイッターアカウント ― commandeer

ここのところインターネット上の詐欺やハッキングの話題に絶えません。先月はアメリカでスーパーマーケットチェーンから顧客のクレジットカード情報が流出したというニュースがありましたし、今日もYahoo!のメールアカウントが大量にハッキングされたとか、そんな話題が毎日のように報じられています。

その中でひときわ目を引いたのが下記のニュースなのですが、ツイッターのアカウントが奪われてしまったという話です。

なんでも、“@N”という珍しいアカウントを持っていたユーザーで、この手のアカウントはプレミアがついて売買もされるものらしいですが、このユーザーのアカウントも5万ドルで買いたいというような話もあったのだそうです。


Naoki Hiroshima is a Web developer in California. Until recently, his Twitter handle was @N – a unique name, to say the least.

But last week, according to Mr. Hiroshima's own account, he received a text message from PayPal, asking for a verification code. He ignored the message until he received an e-mail from GoDaddy, alerting him to changes in his account settings. As it turned out, a hacker had apparently commandeered both accounts with the purpose, Hiroshima says, of forcing him to hand over his @N handle.
(Matthew Shaear. The strange case of the stolen @N Twitter handle. The Christian Science Monitor. January 30, 2014.)


ツイッターアカウントが奪われるに至った詳細の経緯は複雑なので私にはうまく説明できないのですが、被害者のユーザーが利用していた別のインターネット上のサービスのアカウントがまず乗っ取られ、それを取り返すために最終的にTwitterアカウントを手放さざるを得ない状況になったようです。(経緯はPCWorldの記事が分かり易いのではないかと思います。)

さて、今日の単語ですが、"commandeer"です。("commander"ではありません。"e"が1つ多いことにご注意!)

元々は、戦時中などに人や物資を軍用に接収するという意味で使われていたのだと思いますが、一般化し、他人のものを勝手に取り上げる、奪う、という意味で使われるようになったのでしょうか。

Merriam Websterを引いてみると、同義語(synonym)に、hijackが挙げられており、上記の引用での使用例を見るにつけ、なるほどと首肯させられます。


2014年1月30日木曜日

筋金入りの・・・ ― card-carrying

"card-carrying"という形容詞があります。そのまま訳すと、“カードを運んでいる~”となりますが、より正確に言うと“カードをぶら下げている~”となりましょうか。

ここで言う"card"とはIDカードのことです。


"I had this problem," he reminisces. "When I found the first differences between male and female in the brain, I got attacked by the feministic movement. Because it was not allowed to have any differences, not in the brain. All differences in brain and behaviour were due to society." He says all this as though it's years since, and yet as a card-carrying feministic, I do not feel that our concerns have been totally addressed.
(Zoe Williams. What can Dick Swaab tell us about sex and the brain? The Guardian. January 28, 2013.)


card-carrying feministic


とありますが、ぶっちゃけて言うと、筋金入りのフェミニスト、とでもなりましょうか。正真正銘の、という意味もあります。

IDカードは身分証のことでもあります。元は政党員の党員証のことを指していたようで、“筋金入りの”という意味以前に、(ある団体、組織などの)正式メンバー、というニュートラルな意味で使われていたようです。

下記はどうでしょうか?


"I knew at this moment as well as I could ever know that these guys sitting five feet behind me were card-carrying members of the mob.

"So how do you drive when you know that the fellow sitting just behind you puts bullets through people's brains for a living? Carefully!"
(Susannah Cahalan. Confessions of a NYC taxi driver. New York Post. January 19, 2014.)


ニューヨークのタクシー運転手が乗せた客は、"card-carrying members of the mob"だったという背筋が寒くなるようなでした。


2014年1月29日水曜日

こんな意味もあったの? ― rebound

カタカナでも“リバウンド”と言いますが、我々がよく知っているのは、「せっかくダイエットしたけど食べ過ぎてリバウンドしちゃった」、などという時の“リバウンド”でしょうか。

減らした体重分だけでなく、それ以上に太ってしまったことを言うわけですが、リバウンドには跳ね返るという動詞の意味がありますのでその通りです。

ところで、"rebound"には、“失恋の反動から(生じる)状況”、という意味もあるそうです。知りませんでした。

ランダムハウス英和辞書には、


She didn't really love him; she married him on the rebound.
彼女は本当は彼を愛していなかった。ほかの男に振られて彼と結婚しただけだ。


という例文が載っています。"on the rebound"というフレーズが口語的に用いられているものですが、"rebound"には特に嫌なことや不快な出来事があった際の反動(による)、という意味で用いられることを1つ学びました。

きっかけとなった記事は以下のようなものです。


Maybe sex with someone new really is the best remedy for heartbreak, a new study suggests.

It’s at least a common fix for jilted lovers, according to University of Missouri psychologist Lynne Cooper and master’s student Lindsay Barber, who found evidence to confirm that rebound sex is a real phenomenon.

The researchers recruited 170 college students who had experienced a breakup in the previous eight months to take part in the study. The participants filled out weekly reports detailing their emotions and sexual activity, as well as their motivation for engaging in that behavior.

Thirty-five percent of the participants said they’d had sex to rebound from a relationship, and 25% admitted to having revenge sex.
(Victoria Taylor. One-third of people have 'revenge' or 'rebound' sex: study. New York Daily News. January 28, 2014.)


"rebound sex"と出てきますが、これは失恋や異性との別れの反動から、新しいパートナーと(恐らく衝動的に)関係を持ってしまうことを指しています。

Merriam Websterでは下記のような定義が見られました。


a reaction to setback, frustration, or crisis


引用した記事では、"revenge sex"という表現も見られます。まるで、"revenge porn"(リベンジポルノ)みたいですが、元パートナーへの恨み辛みから出てくる衝動ということでしょう。

決して、セックスを一定期間我慢していてその後一度事に及んだらやり過ぎてしまった、ということではありませんので念のため・・・。


2014年1月28日火曜日

marquee

まずは引用から。


SAN FRANCISCO -- Since the late Steve Jobs unveiled the iPhone in June 2007, the innovative smartphone has been the primary driver of Apple's revenue growth.

Now, the long growth run for the company's marquee product may be nearing an end, raising questions about Apple's ability to increase overall revenue.
(John Shinal. Apple's iPhone-driven growth run may be over. USA Today. January 27, 2014.)


アップルのアイフォーンが爆発的な人気ですが、昨年の第四四半期に5100万ドルもの売り上げを記録したそうです。しかしながら、そんなビジネスモデルがいつまでも続くという楽観的な見方はあまりなく、むしろ衰退が懸念されているという記事です。

さて、本題ですが、今日は"marquee"という単語を取り上げたいと思います。

辞書を引くと、劇場の玄関の入り口の上に突き出た高い屋根上のひさし(ランダムハウス英和辞書)、という説明がありますがいまいちピンときません。挿絵などを見るとなるほどそのような構造物を指すようですが、記事のコンテクストではあきらかに意味合いが別だろうと思われますし、しかもここでは形容詞として用いられていると考えられます。ランダムハウスには形容詞のエントリがありません。

ここではおそらく、"popular"、"famous"くらいの意味で使われているのだと思いますが、辞書に載っていないのはなぜでしょうか。

Merriam Webster Dictionaryでは形容詞のエントリがあり、


having or associated with the name recognition and attraction of one whose name appears on a marquee


と定義されています。

この定義もわかったようなわからないようなものなのですが、元々"marquee"と呼ばれる構造物は劇場などの入り口にあって、映画の題名や役者の名前が掲げられ、客寄せの役割を果たしたということに因んでこのような意味で用いられるようになったということでしょうか。

American Heritage Dictionaryの定義は、


Exceptionally popular or skilled


となっており、簡潔明瞭です。

最後にもう1つ、この単語の語源は、"marquise"(侯爵夫人の意)というフランス語を英単語の複数形と誤解したことがきっかけで生まれたそうです。いわゆる異分析と呼ばれるものです。元々は大きな天幕(テント)、それも園遊会などで用いられるような立派なものを指す単語で、そこは“侯爵夫人(のような高貴な人間)にふさわしい場所”、ということで"marquee"の名がついたようです。(参考:Online Etymology Dictionary


2014年1月27日月曜日

Movember

"Movember"という単語をご存知でしょうか?


US giant Proctor & Gamble says the global beard fashion is hurting sales of its shaving products.

Proctor & Gamble says a growing preference for shaggy styles is trimming razor sales.

(中略)

P&G even called out Movember, when participants grow moustaches to raise money for prostate cancer research. The event cut into grooming sales last quarter, chief financial officer Jon Mbeller said on an earnings call.

P&G’s grooming business, which includes shaving cream, razor blades and deodorant, generated $US2.12 billion in revenue during the quarter ended December 31 and accounted for 9.5 per cent of the company’s sales.
(Beards are hurting razor sales, says Proctor & Gamble. The Age. January 27, 2014.)



日本でも有名な日用品メーカーのP&G社がシェービング関連商品の売り上げを落としている背景に、"Movember"の影響がある、という記事なのですが、"Movember"は"November"のスペルミスではないかと誰もが思うでしょう。

スペルミスではないのですが、"Movember"は"November"と大いに関係があります。

"Movember"とは、髭を意味する"moustache (mustache)"と"November"が結合してできた単語、いわゆるかばん語と呼ばれるものです。

記事中にも少し書かれていますが、前立腺ガンなど、男性が罹る病気に対する啓発、チャリティーの目的で髭を剃らない、髭を伸ばすキャンペーンが"Movember"と呼ばれているもので、私は乳がん啓発のピンクリボンは知っていましたが、髭を伸ばすようなキャンペーンがあるとは知らず、なんだか滑稽な感じがしましたが真面目な取り組みのようです。

2014年1月24日金曜日

黙秘? ― stonewall

(私の勉強不足かも知れませんが)見慣れない表現です。


CLEVELAND, Ohio – Geoffrey Gurkovich – the Cleveland man charged with the murder of 5-year-old Jermani Brooks – has stonewalled investigators since his Tuesday arrest, a detective said.

An exchange in Cleveland Municipal Court Thursday between detectives on the case and the suspect's attorney reveals investigators have unanswered questions about the night they believe Gurkovich gunned down Jermani and seriously wounded her mother, 33-year-old Noni Brooks.
(Cleveland man accused of killing little girl is stonewalling investigators, detective says. Cleveland.com. January 23, 2014.)


文脈からして、“黙秘する”という意味で使われていると思われますが、辞書を引くと、


意図的に避ける;非協力的な態度を取る;言い逃れをする、しっぽをつかまれないように振る舞う
(ランダムハウス英和辞書)


という意味が載っており、黙秘という言葉は見当たりません。また、


(特に長時間にわたる議論によって)法案の通過を妨害する


という意味は先日取り上げた"filibuster"の意味であり、これは政治家のTacticsの1つであり、被疑者の“黙秘”と同レベルの表現なのかと思わされます。

Merriam Websterによると、


To refuse to comply or cooperate with


となっています。一般に非協力的な態度を取ることを意味するのだと解釈できます。一方、American Heritage Dictionaryの定義では、


To refuse to answer or cooperate with; resist or rebuff


とあり、"to refuse to answer"をみてようやく“黙秘”の意味にあたりそうだという確信を得ました。




2014年1月23日木曜日

dressed to the nines

"dressed to the nines"というフレーズをご存知でしょうか?


Abigail, aged 40, was dressed to the nines and ready to party for her industry's night of nights.

A few days earlier, she'd told a salesgirl that she wanted some of the miracle shapewear that smooths out every bump and give the appearance of firm curves under your dress.

You know the kind – Kim Kardashian swears by them, and Oprah anointed them on her talk show a decade ago.

Abby was a little dismayed when the staffer handed over an undergarment that looked like it might fit on her arm. But the results were worth the struggle of squeezing into the teeny, tiny undies.
(Spanx and other shapewear are squeezing your internal organs. News.com.au. January 22, 2014.)


記事に出てくるSpanxというのは文脈からすると("shapewear"とも表現されていますが)いわゆる補正下着という類のもののようです。その目的は“出るところは出て、引っ込むところは引っ込んで”という理想のボディーラインを得るところにある訳ですが、無理に締め付けることで健康被害が出ているという話題です。


さて本題に戻ります。

冒頭に出てくる、


...was dressed to the nines and ready to party...


とある部分ですが、バッチリと着飾ってパーティー会場へ・・・、ということだと思われます。

果たして、"dressed to the nines"という成句が存在し、辞書にも載っています。ところで何故"dressed to the nines"がそのような意味になるのでしょうか?

"to the nines"の"nines"は数字の9(nine)のことです。“9に至るまで(!?)”着飾る、が完璧に着飾る、という意味になるのはどうして?

いろいろ調べますとこのフレーズの語源には諸説あるようですが、明確にこうだ!という説はないようです。

Oxford Dictionaryのサイトによりますと、”the nines”は見栄えの立派さで有名だった歩兵団のことを指していたらしくそのことに由来したという説があるそうですが、”dressed to the nines”というフレーズの初出時期と当該の歩兵団が有名だった時期とにズレがあり(フレーズは歩兵団が有名になる以前から存在)、否定されているそうです。

その他では、仕立て屋が立派なスーツを作るのに9ヤード(nine yards)の布地を使ったという逸話に由来するという説もあります。また、”to the nines”とは、”to thine eynes”(to the eyes)というフレーズが変化したもの、という説もあるそうですが、典拠が不十分で、決め手に欠けるそうです。

一方、数字の9は歴史的に最上級の数字として使われてきたという説明もあるそうです。それは、the Nine Worthies(九英傑:中世騎士物語に出てくる3人の異教徒と3人のユダヤ人と3人のキリスト教徒)やthe Nine Muses(ギリシャ神話に出てくる学問・芸術を司る神)などの呼称に見られるもので、”to the nines”という表現が”to perfection”という意味で用いられるようになったきっかけである、というものです。


2014年1月22日水曜日

中国発、ネット中毒者の現実 ― deprogram

ネット中毒患者について当ブログでも過去に何度か(1, 2)記事を引用させていただいたことがありましたが、最近ますます話題になっているようで、本日も中国におけるネット中毒患者に関するリポートを引用します。


In Daxing, a suburb outside of Beijing, an addiction treatment center is guarded by walls topped with barbed wire. Its young patients live in guarded cells, given medication, participate in therapy and adhere to a strict physical and dietary regimen.

Their diagnosis? Internet addiction.

If the ailment seems like a joke, you probably haven't seen the inside of the Chinese rehab centers committed to "deprogramming" patients of what Chinese psychologists call a clinical disorder.
(Treating China's Internet addicts. PBS. January 20, 2013.)


今日取り上げるのは、"deprogram"という単語です。

"deprogram"は離脱を意味する接頭辞のde-と、プログラムするという動詞"program"が結合したものと解釈できます。

インターネット中毒者の話題だけに、"deprogram"とはおあつらえ向きの単語ですが、上記では引用符付きで用いられているので果たして辞書に載っているのかどうか見てみました。

実はこの単語、1973年が初出の米語表現だそうです。意味を見てみると、


(特定の宗教・政治思想などを持つ)(人の)信仰(信念)を説き伏せて変え(捨て)させる、目覚めさせる;(悪習に染まった人を)再教育する
(ランダムハウス英和辞書)


となっています。

つまりネット中毒云々以前から存在していた単語なんですね。

ところで、記事中、中国のオンラインゲーム中毒者はトイレに行く時間も惜しんでゲームをするため、オムツを付けて3日3晩寝ずにゲームをするというくだりがあるのですが、慄然とさせられます。


2014年1月21日火曜日

Take that!

"Take that!"というフレーズをご存知でしょうか?日本語にすると、“これでもくらえ!”という意味です。英和辞書では、"that"のエントリを見ると載っていると思います。

私はこのフレーズを大学の英語の講義で初めて聞いたのですが、実例にお目にかかることがついぞありませんでした。

今日初めてその実例を目にしましたので、下記に引用します。


Take that, BT: Vodafone and BSkyB mull over broadband tie-up - report

BSkyB and Vodafone have reportedly discussed the possibility of teaming up on a high-speed broadband service.

According to the Sunday Times (paid subscription required), a number of "high-level" confabs have already taken place between the pay-TV company and the mobile carrier.
(Kelly Fiveash. Take that, BT: Vodafone and BSkyB mull over broadband tie-up - report. The Register. January 20, 2014.)


記事のタイトルに使われています。文脈からして、“これでもくらえ!”は、ぴったり当てはまるように思われます。

ところで大学の講義は、"that"はいわゆる遠称、つまり、"this"が近称として近くのものを指す代名詞であるのに対比して、遠くのものを指す代名詞なのに、"Take that!"が“あれ”でもくらえ!ではなく、“これ”でもくらえ!になるのが興味深い、という内容で、言語学(英語学)のイントロダクションとしての挿話であったように記憶します。

たしかに、"Take that!"は、人を殴ったり、打ったりしながら言うようなフレーズであり、“これ”は発話者(つまり殴る側)の拳だったり、手に持っている鞭だったりする訳ですから、近称の"this"が使われず、遠称の"that"が使われているのは奇妙と言えば奇妙です。


2014年1月20日月曜日

Big Apple

アメリカのニューヨーク市(New York City)のことをBig Appleということがあるのをご存知でしょうか?


No wonder they call New York the city that never sleeps. Who can get any shuteye with all the noise?!

Screeching subway trains, honking cars, roaring planes, barking dogs and boisterous people make noise the Big Apple’s No. 1 quality-of-life complaint. A city hotline got more than 260,000 noise complaints last year.

Silence, it seems, is the one thing in this city of more than 8 million that’s almost impossible to find, despite a major crackdown on excessive noise.
(Noise Is No. 1 Quality-of-Life Complaint in NYC. ABC News. January 18, 2014.)


なぜBig Appleと呼ばれるようになったかは諸説あるそうですが、ニューヨークで行われていた競馬に因むという説が有力だそうです。競馬での高額な賞金をAppleと呼んでいたそうなのですが、それを1920年代にスポーツジャーナリストのJohn Fitz Gerald氏がニューヨークを意味する呼称として使い始めたことがきっかけということです。

これ以外には、ニューヨークでの大量の失業者がリンゴを売って生活費を稼いでいたことからそのように呼ばれるようになったとか、ニューヨークにあった売春宿の売春婦がEveという名前であったことに引っ掛けた、とかの説があるそうですが、これらはいずれもマユツバものらしく、後に否定されています。


2014年1月17日金曜日

グーグルが糖尿病患者向けコンタクトレンズ開発 ― cookin' on gas

Google Glassなどウェアラブルコンピューティングの先端を行くグーグルが今度は医療分野に乗り出すようです。

グーグルは、糖尿病患者向けに、血中のグルコース(ブドウ糖)濃度を測定するチップを埋め込んだコンタクトレンズを開発していることを明らかにしました。


Google's skunkworks "X" lab is building a contact lens that can monitor glucose levels in the tears of diabetics, and warn them when it drops too low.

The wireless-communicating device was unveiled by Google in a blogpost on Thursday, and may also one day contain tiny LEDs that'll light up if the wearer becomes hypoglycemic.

"We're now testing a smart contact lens that's built to measure glucose levels in tears using a tiny wireless chip and miniaturized glucose sensor that are embedded between two layers of soft contact lens material," the internet kingpin explained. "We're testing prototypes that can generate a reading once per second."

Though the technology is in its "early days", Google says it has completed multiple clinical research studies that refined the prototype.
(Jack Clark. Now we're cookin' on gas: Google crafts sugar-alert contact lens for diabetics. The Register. January 17, 2013.)


さて、上記の引用記事のタイトルに注目したいと思います。


Now we're cookin' on gas: Google crafts sugar-alert contact lens for diabetics


とあります。コロン(:)以下は問題ではありません。前半部分の、


Now we're cookin' on gas



とはどういう意味でしょうか?そのまま訳せば、“ガスを使って料理中”ということになりますが、意味がつながりません。

色々と調べると、"cook on gas"(あるいは、"cook with gas")は俗語表現で特別な意味があることが分かりました。ランダムハウス英和辞書によると、


熱がこもる、スムーズに作動する
とてもうまくやる;正しい考え方をする
最先端に通じている


という意味が載っています。何となく分かってきました。ここでは恐らく、“最先端を行っている”という意味で用いられていると考えられます。

そもそも、"cook"の自動詞としての意味に、"to perform, do, or proceed well"(Merriam Webster Dictionary)という意味があるのですが、"cook with gas"は、まだガスによる火力を使ったような調理が一般的でなかった時代に最先端の手段として考えられたところからそのような表現で用いられるようになったのでしょう。

ちなみに、"gas"に代わって、


butane
electricity
microwave
radar


などのバリエーションもあるそうです。


2014年1月16日木曜日

アプリ内課金問題:返金でも痛くも痒くもないアップル ― hamstring

スマートフォンを始めとするモバイル端末で、子供が主にオンラインゲームなどのアプリを利用して、親が知らない間に発生する課金が問題になっていますが、アメリカでアップル社は利用者への返金に応じることでFTC(Federal Trade Commission:米連邦取引委員会)と合意したそうです。


American parents whose children ran up huge bills from in-app purchases on Apple devices will be refunded $32.5m by the Cupertino titan.

The settlement was brokered by the US Federal Trade Commission (FTC) after youngsters were able to buy heaps of useless stuff in software – such as power-ups in games – without their guardians' full permission.

Apple's billing practices were branded unfair by the consumer watchdog after tens of thousands of users complained. The FTC said Apple hadn't made it clear how the parental controls on devices limited the spending of money in apps – a mechanism regulated by Apple's App Store so it can take a cut of any transactions.
(Shaun Nichols. Apple coughs up 7 hours of profit to refund kids' $32.5m app buying spree. The Register. January 15, 2014.)


日本でも同様の問題が取り沙汰されていたかと思いますが、海の向こうの話とは言え、今回の結論は一定の影響がありそうです。

ところで記事で面白いくだりがあります。


The $32.5m settlement will not hamstring Apple (net income last year: $37bn). Based on the company's financial figures for the year to October 2013, the company raked in sales of $170.9bn. So today's refund payout is worth about 6,000 seconds of Apple's time in terms of annual revenue, or about an hour and forty minutes. Or 7.6 hours of annual profit.
(ibid.)


今回の返金でアップルは総額3000万ドル(約30億円)以上を払うことになるのですが、


(settlement) will not hamstring Apple


だというのです。

"hamstring"とは筋肉のハムストリング、太腿の裏側の筋肉で歩いたり走ったりする際に使う筋肉です。ここが攣ると走れなくなってしまいます。ここでは動詞で


無力にする、挫折させる


というような意味で使われています。

アップルにとっては30億円くらいの返金は痛くも痒くもない、といったところでしょうか。

このような動詞としての"hamstring"の用法はあまり見たことがありませんでしたが、よく使われているようです。


Key business officials argue that a 90 percent cut would hamstring industrial growth, leaving no room for extra emission reductions required to offset future expansion.
(Houston Chronicle. 2000.)


コーパスで多数の用例を見ることができます。


2014年1月15日水曜日

第六感は存在しない!? ― ESP

第六感と呼ばれる能力があります。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、の五感を超えた知覚能力のことで、テレパシーや透視能力などがその1つだとされてきました。

しかしながら、第六感なんてものは存在しない、という研究成果が出たそうです。


Ever feel a creepy, tingling sensation that you ‘just know’ something is different? Well, it’s not a sixth sense, a pair of scientists say -- it’s just your conscious mind failing to catch up with your perception.

In a new paper published in the journal PLoS ONE, Australian researchers say they’ve found evidence to help debunk the idea of extra-sensory perception (ESP), or a “sixth sense.”
(Roxanne Palmer. Sixth Sense Science: Researchers Find Evidence They Say Debunks ESP. International Business Times. January 14, 2013.)


"(a) sixth sense"という英語は、日本語の“第六感”そのものですが、学術的には(!?)


extrasensory perception


略してESPというようです。日本語では、“超感覚的知覚”と訳されるています。


2014年1月14日火曜日

仏大統領に女性スキャンダル ― tryst

フランスのオランド大統領の女性スキャンダルが報じられています。


PARIS -- French President Francois Hollande is expected to use his traditional new year’s news conference Tuesday to announce reforms to kick-start the country’s economy, combat widespread unemployment and boost his lamentable popularity with the public.

However, the event risks being hijacked by a very different affair of state that is dominating French headlines: the president's alleged trysts with an actress.

Hollande's personal and political woes began Friday when a celebrity magazine published a seven-page "special report" complete with photographs of the president, 59, crossing Paris on the back of a scooter, apparently to rendezvous with 41-year-old actress Julie Gayet.
(Kim Willsher. French president Francois Hollande is embroiled in sex scandal. Los Angeles Times. January 13, 2014.)


59歳のオランド大統領が41歳の女優と密会する写真が雑誌で報じられ、大統領は釈明に追われること必至のようです。

さて今日の単語ですが、上記引用の中段に出てくる、"tryst"という見慣れない(聞きなれない)単語を取り上げたいと思います。

辞書を引くと、文語というラベルがされており、


密会
あいびき(の約束)


という意味が載っています。

語源は古ノルド語で信頼(trust)を意味するtreystaに遡るそうですが、その後フランス語では狩猟をする人たちが狩りを行う場所の意味で用いられてきたそうです。


2014年1月13日月曜日

米司法省とタバコ会社が合意 ― racketeer

世間におけるタバコの居場所はますます小さくなっていますが、アメリカではその傾向がさらに加速しているようです。

先週末のUSA Today紙によると、タバコ会社がタバコが健康にもたらす害をこれまで隠蔽してきたことを謝罪する広告を新聞やテレビCMで流すということで、米司法省と合意したそうです。


Tobacco companies are a step closer to putting out "corrective statements" about their history of defrauding the American public by hiding the dangers of smoking, according to an agreement reached Friday with the Department of Justice.

The agreement was reached the day before the 50th anniversary of the surgeon general warning on tobacco and lung cancer, released Jan. 11, 1964.

The long-awaited advertising campaign was ordered in 2006 by U.S. District Court Judge Gladys Kessler, who found tobacco companies guilty of violating civil racketeering laws and lying to the public about the dangers of smoking and their marketing to children. Kessler must approve the agreement.

That verdict was the culmination of a lawsuit brought by the Department of Justice in 1999, when it sued tobacco companies under the Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act (RICO).
(Liz Szabo. Tobacco companies will say they lied, via advertising. USA Today. January 10, 2013.)


記事中に、"racketeer"という単語が使われていますがこれはどういう意味なのでしょうか?

"civil racketeering laws"や、"Racketeer Influence and Corrupt Organization Act (RICO)"などとあることから、法律の専門用語のようです。

まず、"racket"を辞書で引くと、


(組織的な)不正な金儲け


の意味があることが分かります。他には密輸、密売、ゆすり、恐喝・・・、など凶悪な犯罪名が列挙されています。タバコ会社は随分と悪者扱い(!?)ですね。

上記のRICOというのは日本語では組織犯罪対策法と訳されるようですが、"racket"という用語は法律の専門用語で組織的に行われる不正のことを意味するものです。"racket"の罪を犯すことを、"racketeer(ing)"と表現します。

ちなみに、この"racket"はテニスなどで使う“ラケット”とは関係がありません。テニスの“ラケット”はアラビア語(で手のひらを意味するrahah)~フランス語起源(raquette, rachette)ですが、犯罪の"racket"はやかましい音の擬音語だそうです。


2014年1月10日金曜日

登山の用語(5) ― rucksack

今週のテーマ、登山の用語は今日が最終日、5日目です。

今日は、リュックサック、を取り上げます。英単語としては、"rucksack"と綴られますが、これまたドイツ語からの借用です。

ドイツ語で背中を意味するRucken、にカバンを意味するSackが結合したのがrucksackというわけです。日本語でも“背嚢”と言ったりしますが、そのまんまですね。

"rucksack"の他に、knapsackやbackpackなどとも呼ばれますが、こちらの表現の方が使われることが多いようです。

今週のテーマ「登山の用語」を終わります。

どうぞよい週末をお過ごし下さい。


2014年1月9日木曜日

登山の用語(4) ― bivouac

今週のテーマ、登山の用語の4日目です。

今日は、"bivouac"という単語を取り上げます。カタカナでは、“ビバーク”と書かれ、登山家には常識の単語でしょう。ビバークとは不時の野営をすることを言うようです。


a usually temporary encampment under little or no shelter;
encampment usually for a night;
a temporary or casual shelter or lodging
(Merriam Webster Onlineより)


これまで見てきた単語はドイツ語由来のものでしたが、今日取り上げた"bivouac"はフランス語由来です。

"by"を意味するbi-に、wacht(guardの意)がついたもので、つまり"by guard"ということになります。野営をする際に、警戒のガードを立てていたことから、ビバークという表現自体が野営の意味になったのです。


2014年1月8日水曜日

登山の用語(3) ― carabiner

今週のテーマ、登山の用語の3日目です。

今日は、"carabiner"を取り上げます。登山を楽しむ方には“カラビナ”という単語は聞きなれたものだろうと思います。私はあまり登山をやったことがないので知りませんでした。田部井さんの本の中で、“カラビナ”が出てきたときも、何のこと?と分かりませんでした。

カラビナを知らない人も、百聞は一見に如かずと言いますから、実物を見ればすぐに馴染みのあるアレのことだと分かります。皆さんも1つや2つお持ちでしょうか。私が持っているものは全て"Not for climbing"の刻印があります。本格的な登山には使えない、ということですね。

さて、カラビナ(carabiner)も実はドイツ語なのです。ドイツ語では、Karabinerharken、と言います。

昨日のアイゼンがドイツ語のSteigeisenに由来するのと似ていますが、カラビナもKarabinerharkenの前半部分だけを取ってきた単語です。

Merriam Webster Dictionaryの定義を見てみましょう。


an oblong metal ring with one spring-hinged side that is used especially in mountain climbing as a connector and to hold a freely running rope


語源欄を見てみると、


German Karabiner, short for Karabinerhaken, literally, carabineer's hook


とあり、Karabinerharkenとは、carbineer(carabineer)が使うharken(hook、フック)という意味です。

carabineerとはカービン銃を持った兵士のことなのですが、その兵士がカービン銃を保持するために使っていたものが登山用に使われ始めたのが由来ということのようです。


2014年1月7日火曜日

登山の用語(2) ― crampon

今週のテーマは登山で使われる用語です。

2日目の今日は“アイゼン”なのですが、英語では"crampon"と言います。

“アイゼン”自体が和製の用語らしく、正しくはドイツ語のSteigeisenとなります。ここで、Steigは山道の意味、Eisenは鉄の意味です。山道で転んだり滑ったりしないように靴に装着する鉄のかんじきがSteigeisen、すなわちアイゼンです。

Merriam Websterでアイゼン(crampon)の定義を見てみましょう。


a piece of metal with sharp points on the bottom that is worn by mountain climbers on the bottom of boots to make it easier to walk on ice and snow
(Merriam Webster online)


"crampon"は単数形ですが、実際には"crampons"という複数形で用いられることがほとんどのようです。

また、"crampon(s)"という代わりに、


climbing iron
grappling iron


という表現が用いられることも多いようです。


2014年1月6日月曜日

登山の用語(1) ― sherpa

お正月休みも終わり今日から仕事始めという方も多いかと思います。私も図らずも長い休みを満喫できた後の重い体(!?)を引きずって出勤です。

休暇中に、田部井淳子さんの「それでもわたしは山に登る」(文芸春秋)という本を読みました。実は読むのは2回目で、昨年10月の新刊を品川駅で買い求め、新幹線移動の車内で読み感銘を受けました。実家に置き忘れていたのを年末の帰省で再び手にしたという次第です。

ご存知のように田部井さんは女性登山家ですが、著書の中に「山の単語帳」(世界文化社)というものもあり、こちらは購入しておらず立ち読みしただけですが、登山で用いられる言葉、表現は興味深いものがあります。

今週のテーマは、登山の用語、としまして、登山で使われる単語を特集したいと思います。

第1日目の今日は、"sherpa"です。

日本語でも“シェルパ”とカタカナ書きされますが、昨年は三浦雄一郎さんによる最高齢でのエベレスト登頂達成などのニュースもあり、よく聞かれることがあったかと思います。登山において荷物や食料を運んだり、ガイドをしたりと、登山者の補助を行う現地の人のことを指すということを知っている人は登山愛好家に限らず多いのではないでしょうか。

英語でも"sherpa"、もしくは"sherpa people"とつづられますが、元はチベット語で“東の人”を意味します。(Wikipediaによれば、sharが東、paが人、の意だそうです。)

チベット東部に住んでいた民族ということで"sherpa"と呼ばれていたそうですが、いつしか登山ガイドを表す一般的名称として定着したようです。


2014年1月3日金曜日

全ての暗号はもはや解読可能に!? ― quantum computer

コンピュータやインターネットにおける暗号化技術に詳しい方も、そうでない方も、聞き逃しならないニュースかもしれません。


In room-size metal boxes ­secure against electromagnetic leaks, the National Security Agency is racing to build a computer that could break nearly every kind of encryption used to protect banking, medical, business and government records around the world.

(中略)

The development of a quantum computer has long been a goal of many in the scientific community, with revolutionary implications for fields such as medicine as well as for the NSA's code-breaking mission. With such technology, all current forms of public key encryption would be broken, including those used on many secure Web sites as well as the type used to protect state secrets.
(NSA seeks to build quantum computer that could crack most types of encryption. The Washington Post. January 3, 2013.)


量子コンピュータ(quantum computer)と呼ばれている新しい技術がそのカギとなるものですが、従来のコンピュータよりも計算能力の点で“指数関数的に”速い(a machine exponentially faster than classical computers)コンピュータをそのように呼んでいるそうです。

暗号技術に詳しい方には釈迦に説法のようになってしまいますが、現在インターネットで使われている“安全な”、“セキュアな”通信とされているものは、公開鍵暗号方式という技術に基づいており、これは巨大な整数を素因数分解することが現実的に困難であることをある意味逆手に取った技術なのですが、量子コンピュータではそのような困難な計算も簡単に(!?)こなしてしまうということで、どんな暗号も破ってしまうということが以前より専門家の間で研究テーマとされているそうです。

今年、2014年はひょっとしたら量子コンピュータが実用化する年になるかもしれません。(何の根拠もありませんが・・・。)


2014年1月2日木曜日

二日酔いに即効な手段とは ― silver bullet

元旦明けて正月2日、飲み過ぎで二日酔い!?という人も多いかもしれません。

この時期、海外のメディアでも二日酔いに対する即効法のような特殊が多いようです。


You partied a little too hard on Dec. 31, 2013, and you've started the New Year with a raging hangover, what's the first thing you do?

The answer to the above question differs from person to person, but if you told your employer you'd be at work on Wednesday, Jan. 1, 2014, here are 5 things you can try to rid yourself of your hangover.

(中略)

"Water is the silver bullet to hangovers. One of the main contributing factors to hangovers is dehydration. Alcohol suppresses the hormone vasopressin, which regulates the water levels in the body and causes the body to lose more water in the urine." (Source: Live Science)
(Zulai Serrano. New Year 2014: 5 Hangover Remedies To Help Your Body 'Cure' A Raging Hangover. Headlines & Global News. January 1, 2014.)


“即効法”と書きましたが、引用では


silver bullet


という表現が使われています。訳すならば“銀の弾丸”となりますが、狼男を退治するのに銀の弾丸が使われることを思い出す方は多いのではないでしょうか。

まさにその“銀の弾丸”なのですが、由来としてはもっと古く、古代ギリシャまで遡るらしく、詩人ホラティウスの頌歌の中に、マケドニアのフィリップ王にもたらされたデルファイの神託に"silver bullet"が出てきたのが最初だということです。

Merriam Webster Dictionaryの定義によりますと、


something that very quickly and easily solves a serious problem


という定義になっていますが、“即効法”の意味で用いられるようになったのはもっと後のことで、初出は1806年となっています。


2014年1月1日水曜日

タイムズスクエア・ボールドロップの歴史 ― contraption

新年明けましておめでとうございます。本年もえいご1日1語を何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、これを書いている今(日本時間)は元日も更けて夜になりましたが、今日のニュースなどをテレビで見ていますと世界各地が新年を迎える様子などがもっぱら報道されています。

時差があるので当然ですが、テレビの映像は世界主要都市の大晦日、2014年1月1日午前零時へのカウントダウンの様子を主に伝えていました。

多くが花火のショーなのですが、ニューヨークのタイムズスクエアではボールドロップ(New Year's Eve Ball Drop)という一風変わったイベントが毎年行われていることを知りませんでした。

午前零時のカウントダウンと共にきらびやかに輝く巨大なボールがビルの上のほうから徐々に下がってくるというものなのですが、このイベントの由来について興味深い記事を見つけましたので、今日はその記事からの引用です。


At the stroke of midnight on New Year's Eve, a billion people will stop what they are doing in order to watch a big ball slide down a pole. The Times Square device is a dazzling spectacle: an aluminum, geodesic skeleton covered in wedge-cut crystals and more than thirty-two thousand light-emitting diodes, which are capable of creating billions of kaleidoscopic color patterns. But despite its modern shell, the nearly twelve-thousand-pound ball is a nineteenth-century contraption.
(Latif Nasser. A BALL OF A TIME: A HISTORY OF THE NEW YEAR’S EVE BALL DROP. The New Yorker. December 30, 2013.)


その歴史の詳しい歴史については記事をお読みいただければと思いますが、この“ボール”は単なるアトラクションではなく、船乗りたちが時間を正確に把握するための重要な仕掛けだったということです。

さて、引用の末尾に


a nineteenth-century contraption


とありますが、ここで"contraption"という単語を取り上げてみたいと思います。

Merriam Webster Dictionaryによりますと、


a piece of equipment or machinery that is unusual or strange


と定義されており、単なる計器や機械のことではなく、それが“一風変わった種類のものである”というところがミソのようです。

語源がまた興味深いのですが、


perhaps blend of contrivance, trap, and invention


とあり、3つの単語から成り立っているかばん語の1種とされています。