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2014年1月28日火曜日

marquee

まずは引用から。


SAN FRANCISCO -- Since the late Steve Jobs unveiled the iPhone in June 2007, the innovative smartphone has been the primary driver of Apple's revenue growth.

Now, the long growth run for the company's marquee product may be nearing an end, raising questions about Apple's ability to increase overall revenue.
(John Shinal. Apple's iPhone-driven growth run may be over. USA Today. January 27, 2014.)


アップルのアイフォーンが爆発的な人気ですが、昨年の第四四半期に5100万ドルもの売り上げを記録したそうです。しかしながら、そんなビジネスモデルがいつまでも続くという楽観的な見方はあまりなく、むしろ衰退が懸念されているという記事です。

さて、本題ですが、今日は"marquee"という単語を取り上げたいと思います。

辞書を引くと、劇場の玄関の入り口の上に突き出た高い屋根上のひさし(ランダムハウス英和辞書)、という説明がありますがいまいちピンときません。挿絵などを見るとなるほどそのような構造物を指すようですが、記事のコンテクストではあきらかに意味合いが別だろうと思われますし、しかもここでは形容詞として用いられていると考えられます。ランダムハウスには形容詞のエントリがありません。

ここではおそらく、"popular"、"famous"くらいの意味で使われているのだと思いますが、辞書に載っていないのはなぜでしょうか。

Merriam Webster Dictionaryでは形容詞のエントリがあり、


having or associated with the name recognition and attraction of one whose name appears on a marquee


と定義されています。

この定義もわかったようなわからないようなものなのですが、元々"marquee"と呼ばれる構造物は劇場などの入り口にあって、映画の題名や役者の名前が掲げられ、客寄せの役割を果たしたということに因んでこのような意味で用いられるようになったということでしょうか。

American Heritage Dictionaryの定義は、


Exceptionally popular or skilled


となっており、簡潔明瞭です。

最後にもう1つ、この単語の語源は、"marquise"(侯爵夫人の意)というフランス語を英単語の複数形と誤解したことがきっかけで生まれたそうです。いわゆる異分析と呼ばれるものです。元々は大きな天幕(テント)、それも園遊会などで用いられるような立派なものを指す単語で、そこは“侯爵夫人(のような高貴な人間)にふさわしい場所”、ということで"marquee"の名がついたようです。(参考:Online Etymology Dictionary


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