多くの方はクレジットカードをお持ちだと思います。
アメリカはカード社会、昔からスーパーマーケットでの少額の買い物にも“プラスチック”(plastic)と呼ばれるクレジットカード(あるいは、デビットカード)で決済する人が多いですが、日本でもパンデミックの影響下、現金の授受が無いカード払いが増えつつあるように思われます。
さて、クレジットカードに限らず、銀行のカードにしても、会員証にしても、財布に入れているカード類というものは基本的に横長ではないでしょうか。
ところが、最近のクレジットカードは縦長のものが出てきており、どうやら今後は縦長が主流になりそうだと言うのです。
The latest trend in credit and debit cards isn’t a new reward or extra cash back -- it’s going vertical.
Banks and retailers have started turning away from horizontal designs and are opting to issue cards with a portrait orientation instead. Part of the thinking: Swiping a magnetic stripe horizontally is becoming a thing of the past as more consumers dip or tap their cards at checkout.
“The vertical orientation makes sense from how the customer is handling the card,” said Daniela Jorge, vice president of design at PayPal Holdings Inc., which has introduced credit and debit cards with vertical designs for its Venmo app. “And with phone apps like Instagram and TikTok, the world around us is becoming more of the portrait mode and the vertical orientation.”
(Jennifer Surane. Credit Cards Are Turning Vertical With Tap-to-Pay Taking Off. Bloomberg. February 11, 2021.)
横型(horizontal)に対し、縦型は"vertical"、そして"portrait"と表現されています。
この"portrait"が今日取り上げる単語なんですが、そもそもの意味は、
肖像、肖像画、人物写真
(ランダムハウス英和辞書)
です。
この"portrait"がいわゆる縦長サイズを意味する形容詞、つまり、
of, relating to, or being a rectangular document having the vertical dimension longer than the horizontal dimension
(Merriam-Webster Dictionary)
という意味で使われるようになったのは、ごく最近になってからで、1975年くらいのことだそうです。
普段何気なく使っている単語ですが、肖像から縦長という意味への変化、発展は興味深いものがあります。(“portrait”に対しては、“landscape”があります。)
ところで、この話題をきっかけに思い出したことがあります。
小生は数年前にウィンドウズ搭載のPC(ノートパソコン)が起動しなくなって故障したのをきっかけに、タブレット端末(iPad)に切り替えました。
最近気が付いたのですが、普段横長の画面(つまり、"horizontal")で操作する私とは対照的に、愚息はいつも縦長の画面(つまり、"portrait")で見ていることに思い当たりました。
パソコン世代の私には画面は横長が普通なのですが、スマホ世代の若い人は端末画面というのは縦長が普通という訳です。
クレジットカードにしても、店舗での支払時には端末読み取り機に縦方向に差し込むというのが標準になっており、また物理カードを持たないスマホ画面だけのクレジットカードもやはり縦長ということで、今後カードというものは縦が主流になるというのは、やはりその通りのように思われます。
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