人間は死ぬとその直後から、死後硬直と呼ばれる状態に移行しますが、この死後硬直を英語で“rigor mortis”と言います。
実のところこの表現はラテン語であり、rigorは硬直、硬くなること、mortisは死を意味する名詞morsから来ています。
先日、日本人としては民間人初の宇宙旅行から帰還した実業家のことが新聞記事になっていましたが、近い将来、海外旅行のように宇宙旅行を楽しむ人が出てくるのも珍しいことではなくなるのかも知れません。
ところで、もしも宇宙で暮らしているうちに亡くなってしまったら、身体はどうなってしまうのでしょうか?
After death here on Earth, the human body progresses through a number of stages of decomposition. These were described as early as 1247 in Song Ci's The Washing Away of Wrongs, essentially the first forensic science handbook.
First the blood stops flowing and begins to pool as a result of gravity, a process known as livor mortis. Then the body cools to algor mortis, and the muscles stiffen due to uncontrolled build-up of calcium in the muscle fibers. This is the state of rigor mortis. Next enzymes, proteins which speed up chemical reactions, break down cell walls releasing their contents.
At the same time, the bacteria in our gut escape and spread throughout the body. They devour the soft tissues—putrefaction—and the gases they release cause the body to swell. Rigor mortis is undone as the muscles are destroyed, strong smells are emitted and the soft tissues are broken down.
(Tim Thompson. Death in space: Here's what would happen to our bodies. Phys.org. October 18, 2021.)
引用したのは少し前の記事ですが、宇宙空間、あるいは地球外の惑星(例えば、火星)で想定される死後の身体の変化について考察しており、興味深いものがあります。
簡単に言ってしまうと、地球とは重力や気温など、環境が全く異なるために、地球上で起こる死後の変化とは異なるものになるということなのですが、詳しいことは記事をお読みください。
人間の身体に起きる死後の変化については、死後硬直(rigor mortis)の他、その前段階としての変化に、
livor mortis
algor mortis
と呼ばれるものが記事中でも触れられています。(知りませんでした。)
“rigor mortis”に同じく、いずれもラテン語ですが、それぞれ、死斑、死冷、と訳されるようです。
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