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2021年12月17日金曜日

flout

英国で去年、パンデミック下、国民の外出制限を始めとするロックダウン(都市封鎖)が行われている最中、首相官邸でクリスマスパーティーなどが行われた件で、ジョンソン首相が批判を浴びているというニュースは先日の投稿でも取り上げたところです。

今日見かけた記事では、昨年5月にも官邸でパーティーが行われていたとすっぱ抜かれています。

ジョンソン首相自らも15分ほど参加していたとされ、風当たりはますます厳しくなりそうです。


Boris Johnson joined No 10 staff for a party in Downing Street during the first lockdown in May last year, sources have alleged, raising questions about whether there was a culture of flouting the rules over a number of months.

The prime minister spent about 15 minutes with staff at the alleged social gathering on 15 May 2020, telling one aide inside No 10 that they deserved a drink for “beating back” coronavirus, a joint investigation by the Guardian and Independent was told.
(Boris Johnson joined No 10 pizza party during May 2020 lockdown, say sources. The Guardian. December 16, 2021.)


国民には行動制限を押し付けておきながら・・・、ということなのですが、記事では官邸関係者のルール軽視の体質を指摘しています。記事の表現では、


a culture of flouting the rules


とある部分がそうですが、この"flout"という単語について、以前から取り上げようと思っていたところでした。

"flout"というのは、


To ignore or disregard (a rule or convention, for example) in an open or defiant way
(American Heritage Dictionary)


と定義されているところですが、ルールを順守しないことを半ば公然と、堂々とやってのける、という含みがあり、本来ならルール破りには後ろめたさがあるはずのところ、臆面もなく、というような意味合いが含まれています。

ところで、この"flout"とスペルが似た単語に、


flaunt


というものがあり、こちらは見せびらかす(showing off)という意味で用いられるものなのですが、何故か(恐らくはスペルが似ているからか?)"flout"と同じように、ルール軽視を意味するコンテクストで用いられることがあるそうです。

American Heritage Dictionaryでは、このような"flaunt"の用法を誤用であるとUsage Noteで説明しています。

一方、Merriam-Webster(オンライン版)では、"flaunt"をルール軽視という意味で用いる用法はある程度確立されていると説明しており、やや肯定的です。

日本語でもそうですが、誤用とされる言葉遣いも定着してくれば、いつしか正式な用法として認めざるを得なくなるものなのでしょう。



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