ポケモンは言わずと知れた人気アニメで、任天堂から発売されているゲームは世界中でヒットしています。
そのポケモンにデザインがよく似たキャラクターが登場するサバイバルゲームが最近発売され、人気と共に売上げも急増しているそうなのですが、任天堂側は、知的財産権の侵害の可能性があるとして訴訟も視野に入れている模様です。
After several days of speculation, the Pokemon Company and Nintendo have signaled they are investigating Palworld, a viral Pokemon clone that has sold over 8 million copies in less than a week.
“Palworld” is an open-world survival game available for Windows PCs and Xbox consoles that has stirred controversy in the past week due to its in-game characters’ close resemblance to the titular creatures in the popular “Pokemon” games on Nintendo’s systems.
(中略)
Some have accused the game’s publisher Pocketpair of using AI to plagiarize popular “Pokemon” designs—with some users pointing to its creator’s earlier comments in favor of AI use in game design—although no evidence of this has been made public.
(Siladitya Ray. Pokemon Is 'Investigating' Palworld For Potential IP Infringement—Here’s What To Know About The Controversial Game That’s Gone Viral. Forbes. January 25, 2024.)
問題はゲームに登場するキャラクターがポケモンのそれに酷似していることにあるようです。
引用した記事によれば、AI(人工知能)を使ってポケモンに似せたイメージを生成したのではないかという疑惑があるということです。
さて、今日取り上げる1語は、
plagiarize
です。
この動詞は剽窃する、盗用する、という意味ですが、名詞の"plagiary"が動詞化したものです。この"plagiary"という単語は今となっては古い単語で、あまり使われていません。使われるのはもっぱら、動詞の"plagiarize"、名詞では"plagiarism"や"plagiarist"といった単語の方です。
ところで"plagiary"という単語はラテン語plagiarius、またplagiumから来ており、その意味は誘拐、人を攫って奴隷として売ることを意味したそうです。
また、これらのラテン語からさらに遡るとplagaという名詞に至るのですが、これは獲物を捕える網(ネット)や罠(わな)を意味します。
誘拐するという意味の言葉が、他人が創造、考案した作品の盗用という意味に用いられるようになったというのは興味深いものがあります。
ラテン語plagiariusを盗用の意味で初めて用いたのはスペイン生まれのローマの風刺詩人マルティアリスと言われています。エピグラム(警句集)第1巻52に出てくるのですが、詩作の盗用を非難する内容です。
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