2014年のサッカーワールドカップが6月、7月にブラジルで開催予定ですが、サッカーファンの方には楽しみで仕方ないことでしょう。
W杯に関する話題が少しずつ増えてきているようですが、New York Times紙の記事によれば最近のゲームで八百長試合の疑惑が増加、欧州の警察当局も極秘に捜査を進めているということです。サッカーに八百長試合があるとは初めて聞きました。
Soccer is known throughout much of the world as the beautiful game. But the sport's ugliest side — the scourge of match-fixing — will not soon go away.
With the 2014 World Cup in Brazil drawing closer, a European police intelligence agency said Monday that its 19-month investigation, code-named Operation Veto, revealed widespread occurrences of match-fixing in recent years, with 680 games globally deemed suspicious. The list of match types is staggering: some 150 international matches, mostly in Africa, Asia and Latin America; roughly 380 games in Europe, covering World Cup and European championship qualifiers as well as two Champions League games; and games that run the gamut from lower-division semiprofessional matches to contests in top domestic leagues.
(Sam Borden. Police Call Match-Fixing Widespread in Soccer. The New York Times. February 4, 2013.)
その八百長試合ですが、下位のリーグからそれこそトップレベルの国内試合に至るまで、あらゆる試合にそれと疑われるものが存在するということですから、ショッキングな話ではあります。
さて、今日取り上げる表現ですが、"gamut"という単語です。
引用した記事の最後の部分に、
games that run the gamut from ~ to ~
という部分があります。"gamut"が使われる表現はこのパターンがほとんどです。A(from A)からB(to B)に至るまであらゆるもの、という意味で使われます。
ところで、語源はサッカーとは関係なく、音楽に関係があります。
大抵の辞書の語源欄から確認できると思いますが、"gamut"とは、ギリシア語の"gamma"(ガンマ)とラテン語の"ut"から来ています。
ガンマとはアルファベットのGですが、これは中世における当時の実用的な声楽の音域がG音を最低音としていたことから、つまりあるレンジ(範囲)を示す場合の始まりとなるものです。一方、"ut"ですが、これはいわゆる“ドレミファソラシド”の音階の“ド”に当たるもので、これも音階という一定のスケールの始まりにあたるものです。(参考:芥川也寸志著「音楽の基礎」岩波新書)
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