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2013年2月11日月曜日

temper tantrum

今日は"temper tantrum"という表現を取り上げてみたいと思います。

"temper tantrum"というのは癇癪のことです。

以下の引用はニューヨークポスト紙の記事なのですが、癇癪持ちの女児に暖炉の火かき棒で顔を殴られたベビーシッターがその両親を訴えた、というニュースです。


A Manhattan baby sitter claims she was seriously hurt when a child she was minding smacked her in the face with a fireplace poker.

Carmen Cleary was asked to watch over little Caroline Cannady Chinn one October weekend at the Westchester home of the girl’s family — but says parents Lloyd Chinn and Sarah Cannady Chinn never warned her about temper tantrums.
(Kathianne Boniello. ‘Smacked by child’ sitter sues. New York Post. February 9, 2013.)


"temper"は気分とか気性という意味、"tantrum"は癇癪と訳されますが、"temper"自体に不機嫌、癇癪という意味もありますので、"temper tantrum"という表現は同じ意味の名詞を並べた冗語のようにも思われます。

"tantrum"というエントリを辞書で引くと、語源不詳とあります。不思議な単語のように思えます。

興味深いのは、"doldrums"という単語の語源欄に、この単語が"tantrum"のスペルに影響を受けているとの解説があることです。

"-rum"という語尾には何となくラテン語の響きがあります。"cerebrum"、"decorum"、"forum"、"spectrum"など、枚挙に暇がありませんが、"-rum"で終わる単語を見るとその多くがラテン語起源です。ラテン語というのは学術用語、とりわけ医学用語のイメージがあるためか、"temper tantrum"という表現についても何となく医学用語のような印象を受けます。

そのことと関係があるのか否かよく分かりませんが、"temper tantrum"は精神疾患の1つとして捉えられる向きもあり、Diagnostic and Statistics Manual of Mental Disorders(DSM; 精神障害の統計と手引き)へ追加されることが検討されたこともあったようです。

件のベビーシッターの訴えも、女児が癇癪持ちであるという重大な事実を両親が事前に伝えなかった過失があるというもので、"temper tantrum"は単なる気質や性格のレベルではないという感じがします。


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