"lock, stock, and barrel"というフレーズをご存知でしょうか?日本語で“一切合切”という意味です。これは知っていないと分からない表現です。
もう10年以上近く前のことですが、英語の勉強をするのにBarron'sから出版されている"1100 Words You Need To Know"というテキストを毎日やっていたのですが、その中でこのフレーズが出てきました。テキスト中の例文には、
The company moved its operations to another state lock, stock, and barrel.
とありましたが、いわゆる「暗記」をしたので、記憶の片隅にはありましたが、それ以降実例を見かけることもなく、なじみがない表現だったという訳です。
ところが、今日、いつものように色々な記事を漁っていると、このフレーズの貴重な実例に巡り合ったのです。
Town - lock, stock and bar - for sale
RAPID CITY, S.D. - A businessman looking to invest more time in his traveling concession business is seeking a buyer for his rural, southwestern South Dakota town - for the price of $400,000.
(Associated Press. June 30, 2014.)
ところで、"lock"、"stock"、"barrel"とはそもそも何のことでしょうか?
これらは銃を構成する部品を指しており、それぞれ、引き金、銃床、銃身のことです。
引用した記事のタイトルで使われているのですが、"lock"、"stock"まではおんなじですが、"barrel"ではなくて"bar"となっています。
これは恐らく記事の内容にかけた洒落です。
Lance Benson is the sole owner of Swett, an unincorporated hamlet in Bennett County about two hours southeast of Rapid City.
(中略)
In the 1940s, the town had a population of 40 people, along with a post office, some houses and a grocery store. Over the years, ownership of the town concentrated to a single person until it wound up in Benson's hands about 16 years ago. Now, what remains is a bar workshop, three trailers and a house, where Benson and his current wife live.
(ibid.)
South Dakota州のSwettという町(村)が話題になっているのですが、過疎化が進んでいて住民は数えるほどしかおらず、バー(bar)と作業小屋などくらいしか残っていないということなのです。
"lock, stock, and barrel"という表現の同義語、あるいは非常に似通った表現として、
hook, line, and sinker
というものがあります。これは釣り(fishing)に関連しているのですが、"hook"とは釣り針、"line"は釣り糸、"sinker"は錘のことで、"lock, stock, and barrel"と同様に、“完全に、すっかり”というような意味で使われます。
"hook, line, and sinker"の実例にお目にかかったことはまだありません。
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