奇妙な表現に出くわしました。見たことがあるという方はいますか?
"Agents of the government should not should not (sic) be doing this," Kinsella said. "The 'capital-G government' did this."
(DEA sued for impersonating woman on Facebook. New York Post. October 7, 2014.)
"capital-G government"という部分です。
大文字Gのgovernment、ということになると思いますがこのような言い回しをみるのは初めてです。引用箇所は発言部分ですから、書いたものであれば"Government"となるところを、敢えて大文字で始まる"Government"であるということを強調するために、"capital-G"と言っているものと思われます。
ご存知のように、英語では名詞のスペルを大文字で始めるのはそれが文頭に来る場合か、あるいは固有名詞である場合です。
固有名詞は一般に大文字始まりですが、固有名詞でなければ小文字始まりです。敢えて大文字始まりのスペルにするのは作品などのタイトルなどにおいてですが、それ以外のケースでは“ある特定の”という意味合いを帯びてきます。
ここで、"capital-G government"とは一般的な政府(機関)を言っているのではなく、特定の政府、つまり現行政府(あるいはオバマ政権下の政府)ということを強調する意味で言っているものと考えられます。
このような、"capital-X"という言い回しは他にも見ることができます。
Superman and Batman each have a new movie coming out in the next year. They battled thugs in the' 30s, crime syndicates in the' 40s, communism in the' 50s, corrupt politicians and inner demons in the intervening decades. They may be ready to fight capital-E evil post-9/11.
(Denver Post. 2005.)
下記のような用例も見られ、これは名詞ではないのですが、そうすると単に強調のために用いられるとも考えられます。
For 700 years he's spent his days forming and stacking cubes of debris as high as skyscrapers, with only his pet cockroach as a companion - the little guy is capital-L lonely.
(Houston Chronicle. 2008.)
辞書で"capital"を引いてみると、このようなパターンでの用法、つまり"capital-X"には形容詞の意味として、
本物の・・・、全くの・・・、・・・そのもの
(ランダムハウス英和辞書)
というような意味で使われるとの説明があります。
つまり名詞(あるいは名詞以外でも)を特に強調したい時に、強意的に挿入するフレーズであると言えます。
Collins Cobuild Dictionary of Idiomsには下記のような解説があります。
You say, for example, 'Life with a capital L' or 'Art with a capital A' to draw attention to the word 'life' or 'art' and emphasize its significance. You often do this to suggest that someone is taking something too seriously.
You also use this expression to suggest that someone or something is a very good example of the kind of thing mentioned, or has a particular quality to a great extent.
日本語に翻訳する場合にはコンテクストによって様々な訳し方になるものと思われます。
2014年10月8日水曜日
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