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2014年10月16日木曜日

"clean"という形容詞について考える ― clean getaway

"clean"という形容詞について考えてみたいと思います。

"clean"は日本語でもカタカナで“クリーン”と使われますので何を今更と思われるでしょう。清潔な、汚れていない、といった形容詞の意味がすぐに思い浮かびますが、今日"clean"という形容詞を取り上げようと思ったのは下記の記事がきっかけでした。


The mad bomber who targeted Bar Pitti on Sixth Avenue near Bleecker Street last Friday emerged from a subway grate, tossed a smoking road flare at the eatery’s outdoor area and then made a clean getaway back underground.
(Jamie Schram. Restaurant smoke-bomb probers eye bad Yelp reviews. New York Post. October 15, 2014.)


ニューヨークのレストランに発炎筒が投げ込まれるという事件があったそうですが、警察はレストランに恨みを持っている人間の仕業と睨んで、ネット上のレストラン関係の口コミサイトなどに手がかりを求めて捜査を進めているようです。

引っかかったのは、


made a clean getaway


という部分です。

getawayは、脱出、逃走、という意味ですが、それを修飾する形容詞の"clean"が興味深く思われました。“清潔な”という意味の"clean"ではないことは間違いありません。

犯人が発炎筒を投げ込んで逃走した、ということは文脈から明らかですが、逃走(getaway)を修飾する、この"clean"をどのように日本語に訳出したものでしょうか?

ランダムハウス英和辞書で"clean"を引くと、


(行動が)計画通りの、順調な


という意味があり、"made a clean getaway"というフレーズには、


まんまと逃走した


という訳をつけていました。なるほど、と思いました。“首尾よく”とか、“うまく”、といった意味で使われることが分かります。

改めて、"clean"の定義をざっと見てみますと、このような意味で用いられるものには、


clean hit(野球でのクリーンヒット、文句なしのヒット)
clean shot(見事なショット)
clean trick(まんまとひっかかったトリック)


などがあります。

知ってしまえばそれまでですが、カタカナ語になっているが故にあまり注意を払わなかったなあと思ったりもします。


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