"clip the wings"という成句をご存知でしょうか?用例を以下に示します。
United Airlines wants to clip the wings of a 22-year-old Manhattan computer whiz who found a loophole that saves travelers big bucks on airfare.
Aktarer Zaman founded Skiplagged.com, which finds cheap flights by using “hidden city” ticketing, in which travelers purposely buy tickets with layovers for a lower fare, using the layover city as their intended destination, CNNMoney reports, and never go on to the itinerary’s final destination. He started the site last year.
United Airlines joined discount travel website Orbitz last moth to file a lawsuit in Chicago federal court against Zaman, calling his site “unfair competition” and accusing it of promoting “strictly prohibited” travel.
(Yaron Steinbuch. United Airlines suing 22-year-old computer whiz. New York Post. December 30, 2014.)
コンテクストから大体言わんとするところは分かるのですが、辞書を引くと、
to restrain someone; to reduce or put an end to someone's privileges. (Alludes to clipping a bird's wings to keep it from flying away.)
(McGraw-Hill Dictionary of American Idioms and Phrasal Verbs.)
とあります。字義通りに解釈すると(鳥などの)羽根をカットする、ということになりますが、羽根を切られてしまえば鳥は飛べなくなってしまう訳で、"clip the wings"とは行動を制限する、というような意味で用いられるようです。
さて、引用した記事で問題になっているのは格安航空券を手配するウェブサイトのサービスですが、そのサービスの中身が航空会社側にとっては問題なのだそうです。
詳しくは記事をお読みいただければと思いますが、乗り継ぎ便を指定するやり方で安い運賃で購入する仕組みがサービスに組み込まれているらしく、利用者にとっては有難い話ですが、実際には利用者は乗り継ぎするのではなく、(乗り継ぎの)経由地を目的地としており、航空会社にとっては機材のやりくりなどで問題が生じてくるそうです。
このような(航空会社にとって)厄介なサービス(仕組み)を"clip the wings"したい、というのが構図です。
記事のライターが敢えて"clip the wings"という成句を使った理由を推測すると、1つには飛行機の話題ということがあるでしょう。もう1つは、このサービスの開発者のことを、"a computer whiz"と表現しているところに着目します。
"whiz"は"wizard"の短縮形ともされているそうですが、素早く動く(飛ぶ)という意味の動詞"whiz"にも関連しているということで、これに掛けたイディオムの選択でもあるのかも知れません。
さて、2014年のえいご1日1語は本日が最後となります。今年もご愛読ありがとうございました。
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