玉突き事故のことを英語では"pile-up"と表現します。
CLARION, Pa. (KDKA) — Two people are dead, and several others were injured after a mutli-vehicle pile-up Wednesday afternoon in the westbound lanes of Interstate 80 in Clarion County.
The accident happened at Mile Marker 65 in Clarion Township around 1:30 p.m.
(Snow Squalls Lead To Multi-Vehicle Pileup On I-80 In Clarion County, 2 Dead. CBS News. January 7, 2014.)
日本語の“玉突き”は、ビリヤードのイメージであり、車体の後尾に次々と後続車が追突する様を捉えたものです。一方、英語の"pile-up"、特に"pile"にはどちらかというと垂直方向に(モノが)積み重なるというイメージがあります。
つまり、水平方向か垂直方向かというイメージの差異なのですが、日本人と米国人の捉え方の差が出ているのでしょうか。
動詞"pile"を辞書で引くと、たしかに垂直方向への積み重なりを意味するものがまず目に付くのですが、下記のような意味もありました。
To move in, out, or forward in a disorderly mass or group
(American Heritage Dictionary)
つまり、この捉え方は水平か垂直かという話よりも、“塊”としてのイメージです。玉突き事故では複数台の車が次々に追突した結果、ある意味“ひとかたまり”になってしまいますが、英語の"pile-up"はそのイメージなのでしょう。
ところで、Merriam-Webster Dictionaryで"pileup"を引くと以下のような定義になっています。
a jammed tangled mass or pile (as of motor vehicles or people) resulting from collision or accumulation
日本語の“玉突き”が追突という動作に着目した表現であるのに対して、"pile-up"は追突の結果に着目した表現と言えるでしょう。
ちなみに、American Heritage Dictionaryによりますと、"pile-up"はInformalな表現とされています。また、初出は1929年ということなのですが、本格的なモータリゼーションよりも以前から使われているということかと思いますが、少し意外ですね。
2015年1月8日木曜日
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