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2015年8月11日火曜日

ブラームスはお好き ― Brahms and Liszt

以前の投稿で、押韻俗語の表現を取り上げたことがありますが覚えておられるでしょうか?

この押韻俗語というのはネイティヴではない我々日本人にはちょっと難解です。もしかしたら、英語を母語とする人にとっても難しいのかもしれません。というのも触れる機会が極めて限られており、イギリスはロンドン、しかもその東部で使われているコックニー方言(Cockney)というのが押韻俗語を特徴としているからです。

こうした押韻俗語は知らないとそれが使われていても意味をすぐにはつかめず、判じ物かパズルのようになってしまいます。

下記の引用を読んでみましょう。


Yet no matter how Mozart and Liszt a driver was, until he (or she) was involved in an accident or committed a major driving offence, alcohol levels couldn't be checked.
(Tony Davis. Milestones: Breath testing goes random. Drive. May 3, 2014.)


飲酒運転の話ですね。"Mozart and Liszt"(モーツァルトとリスト)は言うまでも無く有名な作曲家です。

押韻俗語の意味としては、


酔っ払った


となります。何故でしょうか?

酔っ払ったというとき、"pissed"という俗語表現を使いますが、"Liszt"がこの"pissed"と韻を踏んでいるからです。

では、なぜ"Mozart and"なのでしょうか?

これに対する明確な答えというのがないのですが、要は押韻俗語では単に韻を踏んでいる部分だけが大事らしく、前半部分(この例でいうと"Mozart")は特に重要ではないようです。実際に、"Brahms and Liszt"も同じく“酔っ払った”という意味で使われます。


Now that the East End of London has moved upmarket, cockney rhyming slang no longer has much currency. So you may have forgotten its word for drunkenness. It is Mozart – or sometimes Brahms. Why? Because "Mozart-and-Liszt" rhymes with pissed.
(Ski Amadé: Orchestral manoeuvres in the light. The Independent. August 7, 2015.)


今週は押韻俗語の表現をいくつか取り上げてみたいと思います。


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