フェースブックのアカウントに登録している名前が「下品」だという理由で何度もアカウント利用停止措置を受けたという男性に関するニュースが先日話題になりました。「下品」とされた名前は男性の本名であることが公的な書類(パスポート)で証明されたことでフェースブック側が謝罪し、男性はめでたくフェースブックを利用することができるようになり、名誉が回復されたというような内容でした。
ところが、この一件は実は男性の嘘、つまり実名とされた「下品」な名前は全くの偽名であることが分かったということです。
この話題は日本でも様々なメディアで報じられたようですが、男性の嘘に振り回されたといったところでしょう。
The Australian man who claimed his name was 'Phuc Dat Bich' has admitted it was a hoax.
After outing himself in a rant on his Facebook page under his now infamous nom de plume, the man has spoken with Fairfax Media, saying now that he has been exposed he wants everyone to laugh with him.
The 23-year-old triggered an outpouring of support after he claimed Facebook had repeatedly shut down his page because the social media site believed his name was fake.
(中略)
The jokester, who claimed in his latest Facebook post that his name was 'Joe Carr', posted a long missive to his Facebook page on Wednesday congratulating himself of hood-winking the world media with the absurd name that he says started out as a joke between friends.
('Phuc Dat Bich' faked it: the man with awkward name turns out to be a hoax. The Syndey Morning Herald. November 25, 2015.)
男性は初めからだますつもりだったようです。フェースブックをだまし、メディアをからかって楽しむ、というのが動機だったのです。
さて、今日の単語は"hoodwink"です。
だます、というのがその意味です。
スペルから明らかですが、"hood"と"wink"が結合したものになっています。"hood"とは泥棒がカモに被せる目隠しです。"wink"とは目隠しをされて目を閉じてしまう(つまり、周りが見えなくなってしまう)ことを指しています。周りが見えなければ正常な判断はできません。
今回の一件で、メディア、あるいはフェースブック社は何が見えなくなってしまったのだろうかと思います。なぜ、ネットユーザーの一人による嘘を見抜けなかったのか?
男性が実名の証拠として示したパスポートは偽造されていたことが分かりましたが、偽造を見抜く以前の問題なのかもしれません。男性はフェースブックの対応(アカウント停止)の不満をSNSでぶちまけ、多くのユーザーからの支持を得ていたということですが、SNSの持つ影響力の前に運営側であるフェースブックも、そしてメディアもなす術がなかったのかもしれません。
同様の騒動がまた発生するでしょう。メディアがその度に取り上げれば、こうしたユーザーが増長するという悪循環ではないでしょうか。
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