アメリカではVapingと呼ばれる、いわゆる電子タバコの愛用者が急増しているそうです。
それも高校生など十代の若者の間で浸透しているということで、専門家らはニコチン中毒者の急増に危機感を募らせているようです。
A steep rise in nicotine vaping over the past year, accompanied by widespread minimizing of its potential harm, dominated the findings of a closely watched annual survey of American teenagers, released Monday.
The vaping increase was so precipitous, researchers said, that it was the largest annual jump in the use of any substance, including marijuana, they had seen in the project’s 44-year history.
In all, the researchers found, the rise amounted to 1.3 million more high school vapers in 2018 than in 2017.
(Jan Hoffman. Study Shows Big Rise in Teen Vaping This Year. New York Times. December 17, 2018.)
増加ぶりはこの種の調査が始まって以来最も急激なもので、高校1年生の10人に1人、高校3年生になると4割近くが電子タバコを吸ったことがあると回答し、昨年と比較すると高校生の電子タバコ利用者が130万人も増加しているという統計があるそうです。
さて、記事の本文中、この増加のトレンドを表現するのに、
The vaping increase was so precipitous
と出てくるのですが、”precipitous”という形容詞に引っかかりました。
これまでの経験上、”precipitous”には下落、つまりdownwardのイメージがあったので、上昇(upward)のトレンドについて用いられていることに違和感があったのです。
たしかに、”precipitous”は下降や下落の表現と共に用いられることが多く、コーパスで検索してみるとトップ3は、
precipitous decline
precipitous drop
precipitous fall
となりました。
ところが、一方では、
precipitous rise
precipitous increase
なる用法も少ないながらもあり、上昇のトレンドについて用いるのも誤用ではないようです。
Merriam-Webster Dictionaryでは、
very steep, perpendicular, or overhanging in rise or fall
と定義しており、上昇、下降いずれにおいても急激な変化を意味する形容詞となっています。
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