新型コロナウィルス感染拡大の影響で、飲食店は客が入らず苦境に立たされています。
昨日のことですが、丁度お昼時に前を通りかかったイタリアンレストランのチェーン店はガラガラでした。
ところがこの苦境の中でも、いわゆる「勝ち組」が存在するようです。
アメリカではピザのチェーン店の売上げが伸びており、背景にはデリバリーやテイクアウトの売上げの貢献があるようです。
New York (CNN Business) – America's pandemic-induced love affair with pizza shows no signs of slowing down.
That's a huge relief for Papa John's, helping to speed up its turnaround plans. The pizza chain said Tuesday that its North American sales rose 24% over the past four weeks. Internationally, sales were also strong, jumping 23% for the period.
Pizza has thrived as other restaurants struggle mightily during the coronavirus pandemic. Pizza has been synonymous with delivery for decades, which is crucial when people are afraid or barred from eating inside restaurants. And it's cheap -- helpful during the worst recession since the Great Depression.
(Jordan Valindsky. Americans can't stop shoving pizza into their faces. CNN. August 25, 2020.)
そう言えば先日もピザの宅配がご近所に配達しているのを見かけたのを思い出し、なる程と思いました。
アメリカ人は特にピザが好きですから、レストランの中でなくとも、テイクアウトなどの需要は一定、いやむしろこのご時世で増加しているのでしょう。
さて、引用した記事のタイトルに注目したいと思います。
Americans can't stop shoving pizza into their faces
というものですが、字義通りに読めば、アメリカ人はピザを顔に押し付けるのをやめられない、となります。
何が言いたいのか良く分からないですね。
直径20〜30センチあるピザを顔面にクラッシュさせているイメージが思い浮かびますが、まさかそんなことではないでしょう。
この表現、“shove something into one’s face”に何か特別な意味合いがあるのだろうかと思って調べてみますと、明確に説明したものは見当たらないのですが、いくつか、字義通りではないと思われる用法があるように思われました。
特に、動詞“shove”の目的語となるのが、食べ物である場合です。
一例を挙げると、
Shove a burger into your face! At Krystal Jo’s Diner
(My City Magazine. March 2, 2015.)
これだけでは何のことやら!?と思われるかも知れませんが、いわゆるグルメ紹介記事の類です。
オススメのバーガーレストランの紹介記事であり、“shove ~ into one’s face”は、(評判のバーガーを)「是非食べてみなはれ!」、と言っているようです。
用例としては数的にも乏しいので、冒頭で引用したCNNの記事タイトルの含意するところをもう少し探ってみます。
下記に挙げるもう一つの例は、チョコレートです。
Seriously though, Anna had things right when she was talking about how she wanted to shove some chocolate in her face. Don’t we all want to do that? I mean, when something is so good, it’s hard to act civilized when eating it.
(Anna’s ‘Shove Some Chocolate in My Face’ Chocolate. Magic for Miles. October 3, 2019.)
ここでの“shove ~”はある意味字義通りと言えるかもしれません。口の周り(顔全体と言うべきか)にチョコレートの跡がいっぱいついている幼児の写真があります。
口の周りが汚れるのなんて気にしていられない!
この写真を見てほとんど確信したのですが、“shove ~ into one’s face”の言わんとするところは、大好きな食べ物を前にして、ほとんどそれに顔面を突っ込まんばかりに(英語の語順的には、食べ物を顔面に押し付けんばかりに、ですが)、貪り食べる、というところではないか、と思います。
日本語で、「がっつく」(ガツガツ食べる)という表現をしますが、あれに近いかと。
CNNの記事タイトルに戻りますと、ピザが好物のアメリカ人は、(コロナ禍においても)やっぱりピザには目がない(がっつきたい)のだ、という解釈が出来そうです。
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