新型コロナワクチンを巡っては各国で様々な誤情報を始め、陰謀論までもSNSなどを通じて流布しており、接種推進派と消極派、反対派の亀裂が目立つようになってきました。
米国では民主党がワクチン推進の一方、共和党関係者は懐疑的な姿勢と見られます。
下記に引用するCNNの記事によれば、共和党全国委員(RNC)のメンバーは自身の運営するブログでワクチンに関する誤った情報を拡散しているとして取り上げられています。
この中で、"the mark of the beast"という聞き慣れない表現が使われており、取り上げてみたいと思います。
Amid recent surging coronavirus cases in Florida, a top Republican National Committee official in the state has spread anti-vaccine rhetoric and misinformation, comparing the Biden administration's vaccine efforts to Nazi-era "brown shirts," and twice calling the vaccines "the mark of the beast," comparable to a "false god."
A review by CNN's KFile found that Peter Feaman, a lawyer and RNC committeeman from Florida made the comments on his blog the "The Backhoe Chronicles," which he publishes regularly in a private group on MeWe. The social media platform bills itself as the "anti-Facebook" app.
"The Biden brown shirts are beginning to show up at private homes questioning vaccine papers," Feaman wrote on July 20, incorrectly implying government officials would be showing up at people's homes to question their vaccination status, comparing them to the Nazi Party paramilitary wing.
(Top RNC official in Florida spreads Covid-19 conspiracies, calling vaccines the 'mark of the beast.' CNN. August 3, 2021.)
問題となっているのは、バイデン政権によるワクチン接種の推進をナチズムに例えて批判しているほか、
calling the vaccines "the mark of the beast," comparable to a "false god."
ということなのですが、この"the mark of the beast"は聖書に出てくる表現だということです。
英和辞書にも「獣の刻印」、「背教の刻印」という訳語で載っていますが、
終末のとき、反キリストの権力は獣の像を拝んだ者の右手あるいは額に獣の名または666という刻印を押し、それのない者を圧迫するとされる
(ランダムハウス英和辞書)
という解説がありました。
ヨハネの黙示録第13章に出てくるとあり、「二匹の獣」というタイトルがついています。
ここで「獣」は神を冒涜する存在で、詳しくはお読みいただければと思いますが、下記のくだりがあります。
また、小さなものにも大きなものにも、富める者にも貧しいものにも、自由な身分の者にも奴隷にも、すべてのものにその右手か額に刻印を押させた。そこで、この刻印のあるものでなければ、物を買うことも、売ることもできないようになった。
(新共同訳)
ワクチン接種、イコール「刻印」(the mark of the beast)とすることで、ワクチン接種(またその推進)を悪魔による手引きだと印象付けたいのでしょう。
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