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2022年1月19日水曜日

bork

いわゆるスマートスピーカーというものに触れたことがないのですが、グーグルアシスタントというスマートスピーカーではホワイトノイズを発生させて集中作業や睡眠を助けてくれる機能があるそうです。

それならちょっと使ってみたいなぁ、などと思うところですが、このホワイトノイズの仕様に変更が施され、ユーザーからは苦情が相次いでいるそうで、話題になっています。


Google has reportedly changed Google Assistant’s white noise audio track, and folks who rely on it to fall asleep are extremely unhappy about it. 

Users in the Google Nest community forums are complaining that Google quietly swapped its Assistant’s old white noise track with a new file that is quieter and shorter.
(Florence Ion. Google Assistant Changed Its White Noise Sound and People Are Pissed − Even kids are noticing the change, and it's interrupting some users' sleep routines. The Gizmodo. January 18, 2022.)


同じ話題の別記事を引用します。


There's tons that Google Assistant can do to keep you entertained throughout your day, but it's also there for you when you're looking to wind down. When it's time to decompress, Assistant has a selection of soothing sounds to help lull you off to sleep. But if you've been relying on those while you snooze away, you may be in for some bad news — Google has changed the "white noise" sound, and users are understandably so very pissed about it.
(Arol Wright. Google just borked Assistant's white noise ambient sound, and people are angry. Android Police. January 17, 2022.)


取り上げたかったのは、記事タイトルで使われている、"bork"という動詞です。

見たことの無い単語ではないでしょうか。

見たことの無い単語ではありますが、記事の内容は分かりますので、"bork"が意味するところも想像がつくというところではあります。

ではありますが、手元の英和辞書に載っておらず、かなりマイナーな単語と思われました。

実のところ、American Heritage Dictionaryにもエントリが無いのですが、Merriam-Websterで、


to cause (something, such as an electronic device) to stop working properly


という定義を確認することができました。

ところで、"bork"にはもうひとつ、


to attack or defeat (a nominee or candidate for public office) unfairly through an organized campaign of harsh public criticism or vilification


という意味があり、語源についてはRobert H. Borkさんという、アメリカ人の名前に由来するとあります。

このBorkさんはレーガン政権時代の1987年に最高裁判事に推されていたようですが、周囲の猛烈な反発にあって、結局最高裁判事にはなれなかったそうです。その事に因んで、痛烈な批判などによって候補者を攻撃する、という意味合いの"bork"という動詞が生まれたそうなのですが、"boycott"という単語の由来にも似て、何とも不名誉な語源ではないでしょうか。

なお、電子機器などの機能に不具合をもたらす、という方の意味は、上記の意味合いで用いられるようになった後に、"break"(故障させる)という動詞の意味合いを併せたもの、という解説があり、使われるようになったのは2003年以降とのことです。



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